碓氷バイパスで発生したスキーバス転落事故では、12人もの若い人が亡くなりました。この大量死の事故と、アベノミクスの成果で「企業倒産が減少している話」とを結びつけるのは無理があると思いますか?
事故の原因が、運転手の技術未熟によるものであることは、ほぼはっきりしています。深夜の長距離運転経験のない高齢者を使い、事前チェックもないままに現地に向かわせた会社の経営状態も決して良くはないはず。
貸切バスに法定運賃があり、走行時間と距離を基に決められています。今回の場合約27万円とされますが、この会社は19万円で請け負っています。30%も値引きですから、経営状態の悪い会社特有の価格ダンピングです。
同じ時期に、COCO壱番屋が出した廃棄用冷凍カツを、横流ししていた廃棄物業者とそれを卸していた麺類製造業者も、警察の捜査を受けています。ニュースでみるこれら会社は、ほとんど事業しているようには見えない会社。
これら経済犯罪に手を染めている会社の大半は、経営が厳しく健全経営には疑問符のつく会社ばかりです。政府の統計によりますと、わが国で企業と呼ばれるのは412万法人です。
このうち、自営業者が240万を数え、会社組織やNPOなどは約170万社。先日、厚労省は厚生年金に加入する義務がありながら、いまだ加入していない会社数は79万社と発表しました。
46%もの会社は、社員を厚生年金に加入させていません。日本経済の根源的な問題の一つに、業績の悪い会社には市場から退いてもらい、経営意欲のある新たな起業家をいかに増やすかがあります。
「アベノミクスによって倒産を減らしました」という発言は、健全な経済のあり方を知らない人の発言。もし倒産しても、能力の有る人、やる気のある人は再度挑戦する機会を与える仕組みを作ると良いだけの話です。
スキーバス事故での若い人の死をムダにしないためにも、安全管理を無視するゾンビ企業を市場から減らし、高い利益率を狙える国民と社会に役立つ企業が活躍しやすい市場を作るべきです。
【ひと言】
日本にある、約412万企業のうちで黒字経営をしている企業は、3割弱の企業が黒字で7割以上は赤字。やはりこれではまともな企業社会とはいえません。デフレ社会から抜け出す根本的な課題は、黒字企業を多く育てることです。大企業や製造業ばかりに有利にできている日本社会の仕組みを変え、若いサービス業が成長しやすい仕組みを作ることです。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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