3、4年前までは、飲食店を経営する上で心がけるキーワードの筆頭は、「お店の雰囲気」でした。お客さんは、店内の雰囲気の良し悪しを基準に、よい店と行きたくない店を分けていました。
それ以前に振り返りますと、料理の味重視が長かったですし、価格の安さやリーズナブルの時もありました。接客サービスの良し悪しが重視されるころもありました。これらの長所は広くクリアされています。
現在は、「お店の居心地」を求めるお客さんが多くなっています。味や接客サービス、雰囲気の良さは多くのお店が当り前になっていて、次の課題として居心地がクローズアップされる時代です。
そのため、価格は少しくらい高くてもほとんど問題にされず、代わり長く居続けることができる店が重要視されます。
この背景には、お客さんの高齢化が影響していると思われます。国内消費の半数以上を占めるといわれる、50歳以上の人たちのニーズが居心地を後押ししています。
一度店内に入ったら、慌しい時間を過ごすことなく、ノンビリと高齢者時間を過ごしたい希望があるようです。
また、ビジネスの一線でばりばり働いている人も、息抜きをするために、料金のことは考えずにノンビリと居心地のよい場所を選びます。その象徴的な店舗がファミリーレストラン。
東京郊外のファミレスの場合、ほとんどの店がファミリー向けというより、友達や仲間向けに落ち着いた内装にしています。
日替わり定食とドリンクバーで1千円超のメニューですが、店内に入りきれず席待ちのお客さんがいつもいる状態です。ファミレス同様に大型珈琲店も、居心地のよさを売り物にお客さんを集めています。
高価格と高品質メニューの組み合わせによって、以前のようにお店の回転率を競うことはなくなりました。お店の居心地のよさは、決してファミレスや大型珈琲店に限った話ではないようです。
飲食店ばかりでなく、小売店や惣菜店、サービス業でも生かすことができないか、考えてみてはいかがでしょうか。時代の空気が、ぎすぎすして言いたいことの言えない空気の中で、居心地のよさを求めているような気がします。
【ひと言】
ビジネスが難しいと思う点は、お客さんのニーズが絶えず変わること。開業するご自身の家庭や生活は変わっているのに、会社の顧客ターゲットはいつまでも変えられないことです。延々と同じビジネススタイルを続け、お客さんに飽きられることがよくあります。これはビジネスでの落とし穴と思っています。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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