「愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ」は、ビスマルクの演説での一節。愚かな人は経験だけを頼りにするが、賢い人は他人の経験や過去の歴史に学ぶというものです。
人間の記憶はとてもあやふやなものですから、過去を覚えていないと何度も同じ失敗を繰り返します。日本国の場合、歴史的に過去の経験や歴史は他国と違っている、わたしは感じています。
古代から、日本の政治や行政は中国の時の王朝の仕組みをそのまま導入してきました。当時の中国では、後世のために王朝ごとに正史を編さんして歴史を記録していました。
わが国でも中国の正史を真似ていましたが、900年代の藤原一族の時代になって止めてしまいます。その後は政府が国の歴史を残すことはなく、代わって生まれたのが個人の日記です。
現代にまで、当時の女流作家の日記は文学として知られていますが、一方で男性権力者による日記もありました。この日記の目的は、正史に代わって個人的に自分の子孫のために国事を記録しておくこと。
わが国では、賢者は特定の一族からばかり生まれる事情は、ここに起因しているように思います。結局藤原一族は、他の貴族には勝ったのですが、異次元の武家社会にとって代わられることになります。
1000年以上が過ぎた今の時代、欧米では後世の国民のために積極的に記録を残す文化が根付いています。わが国では、今も記録を残し公開する文化は残念ながら形骸化したままです。
ただ、ビジネスの世界では、企業や個人レベルで歴史の記録を残すことは根付いています。三菱、三井、住友や地方の豪商などに、今も生きる家訓として残っています。
自分の経験に学ぶか、歴史に学ぶかは個人の問題です。起業する人の中には、個人的な事情だけでなく、自分の家の課題として起業を考えている人も少なくないはず。
歴史に学んで起業した人が成功することで、後に続く若い人のモチベーションを高めます。歴史的に豊かな家とか貧しいとかは時の運によるもの。これを固定させず、能力によっては大きなチャンスがある、そんな日本が必要です。
【ひと言】
東アジアの各国が正月を祝う春節が終りました。中国、韓国、シンガポール、マレーシア、香港、台湾などでは、2月8日からが正月です。そう考えますと、東の端に位置する日本は、同じアジアでも他の国と比較して、特異な国と言うことになります。日本に住んでいると、こちらが当り前で、他の国がおかしいということになりますが、人口比では圧倒的に少数派であることを忘れると判断を誤ります。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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