突然、セブン&アイの鈴木会長が退任しました。83歳と高齢でしたが、退任の理由は、子会社のセブン-イレブン社長人事を巡り、現在の井阪社長の首をすげ替えようとして取締役会で否決されたもの。
セブンは既存店舗が43カ月連続でプラス経営をしていて、5期連続の最高益も記録しています。しかも、新たな社長に58歳の井阪さんより8歳年上の副社長を昇格させようとする人事ですから、土台ムリ筋の話です。
鈴木会長の息子を後々社長にする魂胆が見えます。社内の賛成は得られても社外取締役や株主には拒否されます。「コンビ二の育ての親」とか、「小売業の神様」と持ち上げられるうちに、自分を見失ったようです。
中小企業の経営者の感覚なら、好調な会社を自分の身内に継がせたい気持ちは分かります。グループ売上げ6兆円企業にもなりますと、経営できる人間は相当限られます。
創業者でしたら、早々に優秀が人材を探して引き継ぐことを考えます。サラリーマン経営者の鈴木会長は、ヨーカ堂社長を継いで24年にもなりますが、本気で後継を育てることをしてこなかったようです。
興味深いのは、フランチャイズに加盟して開業を考える人が多い、セブン-イレブンの今後です。本部には一方的に有利で、加盟店には厳しい仕組みのコンビ二ビジネスが、鈴木会長の退任で変わるのか、関心のあるところ。
鈴木会長がいなくなることで、加盟店にとっての重石がなくなることは確か。これまでは、本部からの一方的な加盟店への指示だけだったのが、加盟店オーナーの対応の仕方によっては変わることが期待されます。
また、人口減による人手不足でコンビ二オーナーもスタッフもいないことから、ローソンやファミマが加盟店への方針を変える可能性が高いです。現在の3社の均衡を破る会社がでることが期待しています。
【ひと言】
フランチャイズと言うと、本部に騙されたと嘆く人が多数でるほど、騙しの多い世界と思われがち。この仕組みの基本現在、を考えたのが、セブンの鈴木会長と言われています。セブンでは、少し前まで15年の契約期間、オーナーは個人の夫婦だけと契約して法人はダメといった、圧倒的に本部が有利な契約がまかり通っていました。今でも、商品廃棄は加盟店の費用で行なうのに、値引き販売は認めない不条理がまかり通っています。仕組みを作った本人が退任することで、少しでもまともな契約になって欲しいものです。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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