16年度版中小企業白書では、企業の稼ぐ力に着目して生産性向上に多くのスペースを割いています。最早、精神論の長時間労働では、働いている社員も会社も疲弊するだけです。
中小企業の場合、いつまでも社員が残業しているような会社は、概ね経営が厳しいです。このような会社に共通しているのは、どちらの会社も労働生産性に関しての問題意識がないこと。
早い話が、社員一人当たりに換算した売上高が低い会社です。社員の誰もが、多くの仕事を抱え、少しでも会社のために売上げを上げようとしているのに、売上げも利益も空回りして増えない会社です。
ほとんどの場合は、経営者が利益を上げるために必要なことと、必要ではないこととを認識していないケースです。何でもかんでも抱え込むと、仕事が忙しいばかりで実質的な利益に結びつきません。
もし、そんな会社で働いている人なら、先刻よく知っていると思います。起業においても、まったく同じ傾向がみられます。よく外国人経営者がいう、「日本の企業はノイズに対して寛容すぎる」
起業家の中には、経済誌の特集などで取り上げられる、新しいビジネス手法を次々と取り入れている人がいます。ブランド作りに力をいれるとか、逆転の発想法による起業。戦略フレームワークを使った起業法などなど。
一つしっかりした経営手法を実践せずに、あれもこれも参考になるならと受け入れていると、本来の自分を見失います。特に頭のよい人ほど、信念をなくしてカネになることばかりに手をだしがち。
起業やビジネスでは、どうしてこの人がと思う人が事業で成功している例はあります。日本人の生産性の低さも、起業で成功する人が少ないのも、根源にはあれもこれも手を出すか、まったく経営に無関心かのどちらか。
自分に不要な、余計なものには手を出さない愚直さと信念を持つことです。人間、手に入れられるモノには限りがあります。何でもかんでも手に入れようと、ノイズまで手にいれては失敗します。
【ひと言】
わたしの場合、ビジネスアドバイザーの仕事柄、ビジネス手法に関して大半は書籍、勉強会などを通じて認識しています。2010年頃までは、経営の世界ではP.F.ドラッカーの考え方が中心でした。現在は、人工知能を活用した手法がビジネスに導入されているため、ビックデータと人工知能との組み合わせが主流になっています。現在の企業経営においては、変わるものと変わらぬものとの見極めが重要と思います。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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