6年前のこと、わたしは東京・新宿でご夫婦を相手に面談をしました。当時、公務員をしていたご主人は、家事代行による開業を目指していました。
奥さんはスーパーのパートで働いていましたが、ご主人の開業にはあまり乗り気ではないことが、言葉の端はしに感じられました。
奥さんにしてみたら、公務員の将来は厳しいとは言え、先走って転職するのは賢くない。それよりは、「今慌てて開業をしないで、もっと資金を溜めてからで十分間に合う」
ご主人は、フランチャイズに加盟することで開業しようと考えていました。その後、開業に向けての話しをして、最後は奥さんも渋々納得したようです。
同じ起業でも、開業に向け特殊な技術が必要な場合には、個人が自力で開業するよりフランチャイズの方が有利なケースがあります。
わたしのこれまでの経験では、学習塾、リサイクルショップ、喫茶店などは、フランチャイズに加盟して開業する方が、個人が時間をかけて開業ノウハウを身につけるより、有利でお客さんの受けもよいようです。
家事代行やハウスクリーニングも、使用する洗剤や利用者さんとの取り決め方法など、フランチャイズのノウハウが優れています。その後、このご夫婦は横浜市で開業しました。
最初は相当苦労したようですが、1年を過ぎたころから固定したお客さんも増え、今では2店目の開業に向け準備に入っています。
しかも、面談の3度目あたりからは、奥さんの方が経営に熱心になり、専務の奥さんの意見が会社の意見になっています。最近は、社長のご主人は常に専務の顔色を伺いながら発言をするようになりました。
公務員のご主人より、独身時代を含めて民間企業で仕事をしてきた奥さんの方が、問題点を的確に探し、お客さんの身になって考える能力があります。
何より、家事代行はお客さんが女性なので、奥さんにはお客さんニーズがよく判っています。お客さんの痒いところに手の届くサービスを実現できます。
開業においては、使えるものなら何でも使う精神が必要です。知恵も、パワーも、やる気も総動員して、お客さんにこちらを向いてもらわないと上手くいきません。
特に、パートナーは開業において、貴重な戦力です。日ごろから、ご夫婦の場合はコミュニケーションを深め、味方を増やす努力をするべきです。
【ひと言】
カレーのCoCo壱番屋も、引越しのアート引越センターも、ご主人から奥さんに経営者が変わって、会社は大きく成長しました。女性が買い物をする商品やサービスは、市場の半分以上を占めますから、女性経営者はまだまだ増えてよいはずです。女性が起業に向かわない原因は、自分の周りの人の反応を気遣うから。環境が変わると、起業する女性は間違いなく増えます。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 12位から 11位に上昇しています。
ここからクリックお願いします。 人気ブログランキングへ