5月19日、エイジスは厚労省が初めてブラック企業として公表した会社ですから、どんなに酷い会社なのか、その事業内容に興味がありました。当然、会社の業績に関しても判るものなら知りたいものです。
そのエイジスは、証券市場からは優良企業と評価されるジャスダックの上場企業です。ブラック公表される前、株価は4800円台を付けていましたから、ジャスダックでは高額株上位10%に入る企業でした。
1978年(昭和53年)設立、主に大手スーパーや小売り専門店での棚卸し代行業務を行っていて、わが国最初の棚卸代行の専門会社です。しかもこの市場では、ダントツのシェアを誇っています。
連結売上高238億円、売上高営業利益率は11%。最高益を連続更新中でほぼ無借金経営、社員の平均年収は652万円ですから中堅企業としては、申し分のない優良企業ということになります。
ただ、優良企業といわれる経営の源泉は、小売店の棚卸しという時期的に集中する業務を少ない社員で消化していたこと。サービス業で238億円の売り上げに対し、260人の社員は少な過ぎです。
しかも今後は、これまで以上の人件費抑制を目標にしていますから、月間最長で197時間の残業を63人の社員に課していたのは異常です。最高の業績は、最悪の労働条件の下で可能になったと思われます。
今は、会社のコンプライアンス(法令順守)が問われる時代です。既にこの会社の場合、株価が週末までには3915円と、ブラック企業の公表があってから18%も下げています。
スーパーやコンビニなど取引先企業も、今後は棚卸の代行先企業として検討する事態になりそう。何より経営者が頭を抱えるのは、学生や学校に就職先として不適の烙印を押されることです。
以前なら、少しくらい労働条件が悪くても、高い給与を支払うことで社員の不満を封じ込めることができました。今は、ライフ ワーク バランスの時代。ダントツのトップシェア企業が陥落するかどうか、興味あります。
【ひと言】
セブン%アイにしても、すき家のゼンショーにしても、高い利益を上げている会社には、他社とは違う利益を生み出すための仕組みがあります。その仕組みがエイジスのように法的にアウトなら、今後新たに起業する会社に参入する余地は大きくなります。これまでダントツに強い会社のある業界ほど、問題が表面化したあとは新規参入組にも勝算ありです。関心のある人にとって、チェックが欠かせなくなりました。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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