安倍首相は、17年4月に予定していた消費税8%から10%への増税を、2年6カ月延期して19年10月に延期します。元々、1000兆円を超す赤字国家の増税ですから、あまり気分のよいものではありません。
ヨーロッパには20%以上の消費税国はありますが、国の借金は日本と比べGDP比で半分以下の国ばかりです。将来に渡って使われるはずの資金を、現在の景気のために気前よく振る舞っています。
今は、10数年前と違って、このままでは日本の財政は予算が組めなくなる、破たんするといった危機感がなくなっています。金食い虫のシロアリと言われた官僚の天下りも、人事制度も現在は好き勝手に行われています。
そのうえ問題は、思い切った金融緩和を続けていて、金利が下がり円安になっているのに、日本の需要は一向に上向かないこと。マイナス金利にまで下げても、40年来のわが国の課題である内需はまったく刺激されません。
安倍首相は、「ここで一段とエンジンをふかす」と言っていますが、もし低金利と好景気とが反比例の関係にあるなら、ガソリンをまき散らすだけでスピードの上がらないポンコツエンジンということになります。
景気を向上させるためには、人口増加、企業の設備投資、人気製品の登場(イノベーション)の3つの要素が必要と言われます。人口増と設備投資も期待できず、唯一の期待は来日外国人の消費です。
民泊で開業を希望する起業家は多く、宿泊したい外国人旅行者も増えているのに、今もって民泊開業者のほとんどは違法状態。「岩盤規制を打ち破る」と威勢がよいわりには、既存の旅館業者には弱いのが安倍内閣です。
好景気になると資金需要が高くなり金利が上がり財政不安に陥り、不況のときは低金利で財政が安定するという、最悪のループに日本が入り込んでいる可能性があります。
特に、日本は外需依存が強いままなので、世界経済が不況に入りつつある今後は、エンジンをふかして赤字国債をばら撒くしか能のない内閣では、ますます財政事情が厳しくなる予感がしています。
【ひと言】
一国の首相が、「増税延期は絶対ありません」と2年前に宣言しながら、またぞろノコノコ再延期を言い出す神経が理解できません。国民をなめ切っています。この程度の政治家が首相になれる、これこそ世襲マジック。親の努力が子に反映させる政治世界の相続には、国民の相続とは違ってまったく無税なのも不平等そのものです。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 14位です。
ここからクリックお願いします。 人気ブログランキングへ