起業で人気の高い事業の一つに中古本ビジネスがあります。低資本で開業が可能で、比較的確実にお客さんが付きます。しかも若者は、中古本を買うのも売るのも大好きですから、将来性のある事業ともいえます。
そんな中古本最大手ブックオフが、2004年の上場以来初めて赤字を記録しました。約760億円の売上げで、中古本市場だけでは頭打ちになる可能性が高く、総合リユース志向を強くした会社経営に転換している最中です。
中古マンガ本専門の最大手まんだらけは、フィギュアの買取で本人確認が不十分だったとして、古物営業法違反で一店が営業停止処分を受けました。マンガ本よりも、フィギュアなど雑貨の扱いが高くなっています。
まんだらけで気になるのは、この会社の平均給与は上場企業の中でも最低ラインの390万円程度。よく不機嫌な店員がまんだらけでは話題になりますが、黒字企業でありながら給与の低すぎが影響しているかも知れません。
中古本市場が事業として認められるようになって20年以上経ちます。紙の書籍の売上げが頭打ちになっている時代、中古本ビジネスもそろそろ頭打ちかと思われている時に、新たなビジネスモデルが長野県上田市で始まっています。
07年に創業したバリューブックは、開業当初は専門書をメインに扱う中古本ビジネスでした。ところが11年に新たな仕組みを導入して、売上げを急速に拡大しています。
その仕組みとは、バリューブックが中古本を買い取ったとき、その料金を売り手に支払うのではなく、指定されたNPO団体に寄付する仕組みです。通称、「チャリボン」と呼ばれるこの仕組みは画期的と注目されています。
バリューブックがこの仕組みを広く宣伝するよりも、NPOが活動資金を得るために中古本の提供を広くPRしてくれるからです。現在、バリューブックの売上げは16億円に達しています。
この仕組みの基本思想は、エシカル消費=倫理的消費と呼ばれているものです。単なる売買から、環境やエネルギー、コミュニティ形成など、少しでも社会に貢献する消費活動。中古本だけでなく、他の市場にも影響しそうな予感がします。
【ひと言】
エシカル消費は、東日本大震災をきっかけにわが国でも広がった考え方です。併せて小企業の場合は、価格へのこだわりの少ない顧客層を相手にビジネスをする必要があります。まともに価格競争をしたなら、中堅・大手の会社には敵いません。間に、寄付や付加価値を挟むことにより、小企業が対等に中堅・大手と同じ土俵に乗れることを忘れないでください。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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