9月21日、日銀は金融緩和を「量から金利へ」政策変更しました。ただ、黒田総裁の政策決定の会見を聞いても、とても分かりずらい。企業の経営トラブルを解決するときと同じで、ミクロの目で見て判らない時は、マクロの目で見ます。
政策変更のポイントは3点と考えました。
1. 黒田総裁が、異次元の金融緩和で実現すると言った、2年で2%の物価上昇はまったく可能性がなくなったこと。
2. 13年から実施している、年間80兆円の国債を日銀が買い取り市場に資金を流す政策は、今後数年で行き詰るためこのまま続けられない
3. 政府の予算に占める国債費が28年度は24.4%。金利が上昇を始めると、国に予算の4分の1を超えるため金利は引き上げられない。
黒田総裁は、日本経済を金融緩和によってインフレ状態にすることで、物価上昇により国の予算を膨らませ、財政赤字を減らす政策をイメージして、この3年半の日銀の金融緩和を行ってきました。
ほとんどインフレが進まないため、今年に入ってからはマイナス金利にまで踏み込んで、金融緩和を拡大させています。その結果、金融機関の企業業績が悪化したうえ、国民も年金資金の将来に不安を高めています。
一方で、金融緩和の拡大によって、大都市では不動産バブルの恐れが高まっています。東京オリンピック後の経済運営を考えますと、今が最後の見直し時期かも知れません。
結局日銀は、異次元の金融緩和失敗の結果、手の打ちようがなくなっています。今回の目標変更を通して、我々が考えなくてはいけないのは、異次元とは双子の関係にある、アベノミクスも行き詰り次第に経済政策が打てなくなる事態です。
【ひと言】
企業トラブルでも、今回の日銀の問題でも、難しい問題に直面しますと思考停止で考えなくなる経営者がいます。結局先送りすることになりますが、経営に失敗する原因の一つにこの先送りがあります。今回の日銀のように、「イールドカーブコントロール」とか、「オーバーシュート型コミットメント」なんて言われる腰が引けます。ただ、考える方法論の一つに、ミクロで難しい問題はマクロで、「小論点」で行き詰ったら「大論点」で考える方法もあります。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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