英国のEU離脱が決まって間もなく4カ月。その後、本格的離脱交渉を17年1月以降に行うことが決まっただけで、嵐の前の静けさ状態が英国を包んでいると思われていました。
ところが金融市場では、9月初旬以降英ポンド安が進んで、英国経済に大きな影を落としそうな気配です。英国病といわれた1985年以来の大幅なボンド安が不安を掻き立てています。
高値だった14年6月には1ポンド=1.71ドルをつけていた為替が、今月は1.18ドルまで下げました。約32%ものポンド安です。今後、輸入物価がますます高くなることが予想されます。
対ユーロでも、1ポンド=1.11ユーロとほぼ同じ水準です。英国は為替が下がることを嫌って、通貨をユーロに切り替えませんでしたが、下手をするとポンドはユーロより安くなる日が目の前です。
今後、英国民はEU離脱が進行して、身をもって国が貧しくなりつつあることを実感させられる羽目になりそうです。一見誰もが公平そうに見える国民投票ですが、本当に国民のためになったのでしょうか。
過去のヨーロッパでは、ヒットラーが何度も国民投票を実施することで、自分の野望と国民の総意とをすり合わせたと言われます。結局、国民投票によって測れるのは国民の民度ではないかとも言われます。
振り返って日本経済を考ええると、本当にアベノミクスと日銀のマイナス金利政策と、財政赤字の垂れ流しをこのまま進めていて大丈夫なのか、国民はこの時期に真剣に考えるタイミングのようです。
日本の赤字国債は、国内で消化しているので大丈夫とされてきました。ところが、現在は外国人投資家が約10%の国債を保有するまで膨らんでいます。東京三菱UFJ銀や外国生保などは、国債保有一辺倒から手を引き始めています。
18年度には日本が経常赤字国に転落する予測も出ています。英国と同じ道を、日本の場合は国民投票ではなく、政府の方針によって歩むことになるのでしょうか。安倍首相が進む「この道」と同じ道は怖いです。
【ひと言】
そろそろ外国人投資家は、日本の財政赤字の大きさに尻込みを始めているようです。外国の年金基金や生保会社は、日本国債から手を引きはじめています。金融関係も、東京三菱ばかりでなく、他の銀行、生保、損保なども、大量に国債を保有して、国の破たんと同じ運命になるのは御免と考えているのでは。国民に今の状況を分かりやすく説明しないことが問題です。
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