今、手元に08年版東京信用保証協会が発行した、「社長さんになる本」があります。小企業経営者を目指す人向けに編集されたテキストで、保証協会の支援を受ける人はここのセミナーに参加していました。
本の最初は、創業に当たって「どんな目的で何をやりたいか」。現在のようにビジョンやミッションといった、動機付けを深掘りすることはなかったです。長年の夢を実現するための起業といった意味合いが強くでています。
保証協会の創業(保証協会では起業でなく創業)において、重要視するのは創業計画書です。計画書の作成を通じて、事業の概要やコンセプトを考える仕組みが貫かれています。税理士の経営相談と同じスタイルです。
創業計画の次は事業計画書の作成。資金繰りを中心に、事業資金の調達から決算書へと開業準備に向けてノウハウを教えていました。現在の保証協会の創業スクールなどでも、資金に関する内容が濃いようです。
現在の起業で重視されるのは、ビジョンと並んで、チーム作り、事業戦略、資金管理。ハーバード・ビジネス・レビューでは、起業するために事業探しに成長性、収益性、持続性をことさら重視しています。
起業するとき、何をベースに考えて立ち上げるかは人それぞれ。最初に参加したセミナーで、いかに大きく儲けるかに重点が置かれていたため、その後のビジネスでは、儲けることばかりから抜けられない人は少なくないです。
そう考えますと、最初に起業やビジネスの仕組みと出会うことは大事なことです。多くの人の場合、最初に勤めた会社の事業運営が頭に残っていますし、初めての起業セミナーでの話も記憶として残ります。
どこの入口から入って起業と取り組むか、無関心の人が多いですが意外と大事なことです。起業で多くの人が失敗しているのは、それなりに問題があるわけで、そこを見逃すと大事なビジネスチャンスをも見逃すことになります。
起業相談です
【ひと言】
起業での最大の課題は、自分の事業における問題点を見つけることと、その問題を解決する力を養うこと。起業の利益は、この課題を解決するから上がるのであって、最初から儲けようとしても、難しいことは多くの起業で失敗した人をみていると判ること。起業準備の段階から、やらなければならない課題ははっきりしていますから、しっかりと自分の能力を高めることに努めることです。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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