2000年代に入ってシニア起業は増え続けています。60歳以上の人が占める起業の割合は、1982年には8%しかなかったのに、2012年には32%。この比率は今後も上昇すると思われます。
年間に起業する人は20数万人で推移していますから、起業の傾向はシニア仕様になるかも知れません。リスクの少ない起業が増えるとか、長期的な視野に欠けた起業ばかりとかいった短所もありそうです。
20代、30代の若い人の起業が、ITを活用した起業中心なのに対し、旧来型のビジネスが多いのが特徴。起業する半数以上の人は、「これまでの仕事の経験や資格を生かした起業」を考えています。
次いで36%の人は「社会の役に立つ仕事での起業」。同率で「年齢や性別に関係なく仕事がしたい」希望で起業しています。多分、若い人の起業動機のトップ、「自由に仕事がしたかった」と同じ趣旨と思われます。
ちなみに、過って起業する人の大半が重視していた「収入を増やしたい」希望で起業する人は、34歳以下の若い人では2位、35歳から54歳まででは3位で、収入がそうそう増えないことを認識している人は多いです。
そこで、もし起業の業種で迷っている人に穴場と思われるのは、若い人の場合は旧来型ビジネス。AI(人工知能)の普及が今より格段に広がったとしても、過っての職人仕事や新たな手仕事は供給不足がはっきりしています。
職人仕事とネットとの組み合わせは、今の起業にとって格好の注目ビジネス。ITスキルだけに依存した起業家より、自分でモノを作れる人がITを利用する需要は圧倒的に強いです。
シニアにしても、IT技術を駆使して同じシニア世代の人を対象にしたビジネスにはニーズがあります。アプリ一つにしても、若者のアプリは使い勝手が悪いことは中高年の誰もが経験していること。
少し発想を変えると、起業のニーズはけっこうあります。一つはっきりしていることは、人と同じ手法やターゲットでの起業は成功が難しいこと。特に、増え続けるシニア起業では慎重に考える必要があります。
【ひと言】
今日、英語の翻訳をしている知人と話をして、トランプ氏に対する評価が「日本のマスコミは米国中西部の現地を見ないで書いている」と聞いて納得しました。多くの日本人は、希望的観測に基づいた報道に踊らされていました。やはり、マスコミの目を通した報道ばかりでなく、現地の生の声をネットで知る努力は大事です。これは米国ばかりでなく、日本でも現地を見る習慣をつけようと反省しました。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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