長いこと企業倒産は減少していて、数字上では廃業する会社ばかりが増えています。ただ、負債総額1千万円に満たない小企業倒産の中では、サービス業に分類される人材派遣業で倒産や廃業する会社が増えています。
現在、人材派遣を依頼する企業は多いのですが、派遣する側の会社に登録しているスタッフは少ないのです。その上、将来の人手不足を見越して、派遣依頼よりも人を社員として採用する企業が増えています。
そのため、ここ数年の人手不足に合わせて急きょ開業した人材派遣会社の多くは、派遣の需要は多くあっても、供給する登録スタッフのいない会社が、厳しい経営を強いられています。
ここで問題なのは、抱えている課題を正確に理解することなしに、目先の需要に慌てて開業に走ってしまう経営者の資質です。中でも最悪と思われるのは、自分に都合のよい情報ばかりを集め、悪い情報は避ける人。
ネット時代に入って、ますますこの傾向の人が増えています。ビジネスにとっては、耳障りのよい情報よりも腹を立てるような、経営者にとってはマイナス情報の方が、役立つ情報であることは確かです。
人の話を真剣に聞かない人も起業には向かない人。従業員や取引先、お客さんなどの意見には、ビジネスの本質をつく意見も少なからず含まれています。本来なら、お金を出してでも聞かせて欲しい話もあるはずです。
最近注目されているのは、業界のトラブルや災害発生に対し「きっとたいしたことはないよ」と自分に都合よく判断してしまうタイプ。お客さんのクレームなどにも、ことの深刻さを最初から見誤るタイプの経営者です。
これらの事例は、全てが経営者としては先づけ能力に関するもの。人を見る目や商品の判断などは、経営経験を必要とする後づけ能力なので、最初は不足しても仕方ありません。
先づけ能力に関しては、起業準備のときから自分で意識して修正しておかないと、後日開業してから痛い目に遭う原因にもなります。経営者の失敗は、本人だけでなく広く波及します対処を考えた方がよいです。
【ひと言】
会社勤めをしていた時には気にするほどでなかった欠点が、会社経営に関わるようになって大きな問題となることがあります。言葉一つをとっても、謝れば済むことも、経営者の場合には許されないことがあります。その場合の損失は大きな金額にもなりますから、日ごろから自分自身を厳しい目で律する気持ちが必要になります。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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