経営の世界には、5フォース分析という事業に新規参入する時の分析手法があります。新たに起業する会社に対して、市場にはライバル企業、商品・資材の供給業者、他の新規事業者、代替商品やサービス、そして顧客の5つの力です。
本来、5フォース分析は、参入する業界の利益幅を分析するための手法でした。最近は、個々の新規加入企業の競争度合や持続可能性を考えるための手法として、利用するケースもあるようです。
先日天皇陛下の退位によって、はんこ屋市場に新たな特需が発生する可能性を書きました。その文章を受けまして、3人の方から相談や問い合わせがありました。
たまたま、フランチャイズではんこ屋開業を考えている人もいて、色んな方向で起業する人がいることを痛感しました。実際に、東京西部のわたしの住まい周辺では、街のはんこ屋が年々減少しています。
その代わり、現状で実店舗のはんこ屋は減って、ネット通販においてはんこ屋市場は拡大しています。これは、消費者のイメージとして街ではんこ屋を探すよりも、ネット上ではんこを探す人が年々増えているため。
ハンコドットコム、アスクル、楽天市場、アマゾンなど、ネットサイトを探しますと、大変な数のネットはんこ屋が存在しています。5フォース分析で言うところの代替市場が大きく成長していました。
これは、はんこ屋だけに限らず、これまで欧米や中国と比べ増加の鈍かった日本のネット市場が、やっと成長速度を速めているようです。特に、デジタル世代と言われる若い人や、中高年がネットの利便性に目を向けるようになっています。
よく自分の街にライバル店がまったくないので、ニーズが期待できるといった声を聞くことがあります。弁当店がほとんどない街では、コンビニがその代替店舗の役割をしているケースが当たり前になっています。
これから実店舗で開業を目指す人は、お客さんの消費行動の変化に注意を向ける必要があります。せっかく開業した後で、宅配サービス車の多さに驚いていたのでは、笑うこともできない悲劇です。
【ひと言】
起業で失敗するのは、以前は情報が少なすぎるケース。現在は、情報が多すぎるために失敗するケースもあります。特に、ネットばかりで情報収集している人の場合、情報の新旧の区別がつかないため、古い情報で判断を誤るケースがあります。情報とは生き物とは上手い言葉で、移ろいやすい消費者の気持ちは情報でしか知ることができません。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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