今の日本、人手不足が言われますが現実の人手不足の実態は、実際に求人広告を出してみないことには、その深刻さを実感できません。親の代から手広く菓子材料店を経営しているTさんは、その深刻さに頭を悩ませている一人。
地域を代表する企業とされるTさんの会社ですが、今月に入って全従業員8人のうち3人が退職を言い出しました。その中の一人は、仕入れ主任として会社運営には欠かせない一人です。
小さな会社ですから、3人のいきなりの退職は会社の存続にも関わる問題です。現在、代わりになる人を募集しながら、人伝にリタイアした人を探していますが大変な苦労をしています。
Tさんの場合、従業員の多くは親の代から働いている人がほとんどですから、あまり手広く求人をせずに今まで経営してきました。大半の従業員は、若い時に入社し定年になるまで働いてくれました。
先代社長の家族的経営が行き渡っていて、温かな血の通った経営に経営者も従業員も満足しているはずでした。それが、最近10年ほどの間に入社した若い従業員には、感覚的に不満だったようです。
やはり中には、一生この会社で働こうとは思わない人もでてきます。彼らからすると、現在は給与も待遇も悪くはないけれど、自分の人生や将来を考えると不満が溜まる原因になっていました。
現在、人手不足が深刻てあることと、老舗企業の経営が厳しいのは確かです。この問題に関しては、わたしも2年くらい前から相談件数が増え、考える機会が増えていました。
一つヒントになったのは、日米間での企業経営を巡る経営力の差です。米国にも家族経営はあるといいますが、あくまでも経営サイドの話であって、対従業員に対してはドライです。
これは、経営を身に付けるとき、リーダーシップを学ぶことによって、経営者と従業員の間に距離をおくからです。一方、日本では大企業の研修においてリーダーシップが問われるくらいで、あまり一般的には知られていません。
リーダーシップとは何かと言いますと、人を動かし、遣う方法です。それは感情に流されず、会社のビジョンやミッションに沿って従業員に動いてもらう一方、従業員もリーダーシップを知ることで、経営者を動かすことも考える高度な経営手法です。
今後、人手はますます不足しますから、起業でも既存の経営者でも人の遣い方は変わることになります。新たな事業を考える時、人の能力を組合わせることで事業を考える、リーダーシップを通じた事業探しを考えることも考えられるのでは。
リーダーシップの起業シミュレーション
【ひと言】
最近、日本の生産性が低い原因の一つに、経営者も従業員もリーダーシップのないことを挙げる人がいます。人を巧く遣える人は、人から遣われることの巧い人とも言えます。これまで優秀な従業員は、直ぐにホウ・レン・ソウのしっかりできる人と言われてきましたが、実はこのホウ・レン・ソウこそが日本のビジネスをダメにしているという声も多くなりました。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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