昔から、優秀な人でも大手企業出身者の起業は、失敗するケースが多いというのが定説になっています。逆に、中小企業で働いていた人の起業が上手くいくというのは、起業する会社が小企業ということもあります。
大手の人は比較的開業資金が潤沢、会社事務所をしっかり構え、従業員も雇って仕掛けが大きいことが多い。ここには、大手出身の見栄のようなものも働いているようです。
近年、米国発のシステム思考の考え方が知られるようになって、大手企業での勤務経験が、起業にはあまり向いていないことが解明されるようになりました。
大手スーパーで商品バイヤーをしていたような人が、独立して起業するケースです。長年築いてきた、地方生産者のもつネットワークをよく知っている強みを生かすことが起業の動機です。
仕入れと営業に強いですから、社長自らが各地を飛び回って、商品探しと大都市での販売ルート作りに精を出していました。ただ、会社には管理部門も必要で事務員や営業の人も雇っています。
このような社長のワンマンプレーヤー会社は、バイヤーに限らず至るところで見かけます。社長一人でほとんどを稼ぎだし、社員は所在なげに何をするでもなく、一日会社でパソコンを見たり外出している会社です。
システム思考の発想では、会社という組織は全体最適な運営によって利益を上げています。ところが、社長の営業力だけに頼った部分最適の会社では、発想が単調になりますし、総力のような厚みのある利益が上げられません。
中小企業で経営の上手い会社に勤務していた人ほど、この全体最適の組織運営をしないと安定した経営が難しいことを、身をもって知っています。社長の仕事を減らしても、全員が働く仕組みを考えるべきです。
これから起業をする人は、自分の会社組織を全体最適にするため、仕組みをよく考える必要があります。単に売上げが上がり、利益がでているなら大丈夫と考えているようでは、大きな落とし穴に嵌ります。
企業経営をする人にとって、システム思考は長期的な問題解決の方法として役に立ちます。会社勤めをしているときにこの手法を身につけておくと、その後の起業では力を発揮できます。
【ひと言】
この5年くらい、ビジネス書の多くはシステム思考の手法が発想の基になっています。また、イノベーションを生むためのデザイン思考とも、手法が重なっていて懐の深いビジネスを可能にしています。起業して問題にぶつかってから思考法を考えているようでは遅いですから、事前準備の段階で基礎をしっかり身に付けておくことです。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイ経営者のザーの中山おさひろです。
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