わたしの起業相談では、元々既存企業からの新規事業が多かったのですが、最近は以前起業相談をした人が新規事業を取り組むケースも、目に付くようになりました。
日銀がゼロ金利政策を導入しても、街の金融機関は資金の貸出先不足に悩んでいます。そのため、事業の順調な会社には楽に貸し出しをしてくれます。一部には、積極的に貸出しをしている銀行も信金もあります。
ところが、新規事業を始めたとして成功する確率は想像以上に低いです。新たな事業で成功していると思われていて会社でも、よく調べてみるとM&A(合併と買収)というケースが少なくありません。
起業をしてゼロからイチを生む作業も大変ですが、新規事業にはまた別の問題を抱えています。経営者が新規事業を考える場合、その多くが現在の事業の欠点を補おうとする発想から、新たな事業の展開を考えます。
この自社の事情から、新た事業に踏み出すプロセスに落とし穴が潜んでいるような気がします。本来なら、お客さんの抱える問題解決や価値の提供が事業目的のはずなのに、自社の問題解決が目的で新規事業をすることになるからです。
最初のスタートから事業の目的がずれていますから、進めば進むほど事業目的と、お客さんの希望との間が離れることになります。これでは、どんなに細心の注意を払っての事業でも、新規事業が上手くいくわけがありません。
賢明な経営者は、新規事業と現在の事業とを離して考えることができます。大手企業の場合は、シナジー効果を生むことを新規事業に求めますから、事業成功が難しくなります。
まったく畑違いのビジネスで新規事業に成功している会社をみますと、変に納得したような気分になります。現実には、新規事業が軌道に乗った後から、自社の本業とのシナジー効果を考えても決して遅くありません。
【ひと言】
起業をするにしても、新規事業をするにしても、決断するのは経営者一人で判断することが大事です。大手企業の新規事業が上手くいかないのは、多くの取締役による合議の上で判断しますから、とっても当たり前の判断しかできません。誰が見てもよい判断は、当然競合企業に読まれやすい判断です。何故か失敗しやすい判断でもあります。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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