起業を目指す人の業種探しに関しては、成功モデルといえるような確実なパターンはありません。ただ、わたしの実感では、特定の業種を決めその後の準備期間の長すぎる人には、失敗するケースが少ないです。
業種決定とその後の開業までの期間の短い人も、開業後に苦戦している人が多いようです。頭の中で事業を考え、滑らかな調子で人に事業を説明できるようになるまでには、それなりに時間がかかると考えたほうがよさそう。
できることなら、一度その業種と同じか、類似した店舗を探して、一定期間よくよくウォッチングして、起業するかどうか考える余裕をもって、その上で判断してはどうかと思っています。
このとき大切なことは、来店している顧客層が自分の考えるイメージと同じであること。このポイントが合っているならば、あまり大きな判断ミスは犯さないと思います。
多分、一度ウォッチングしただけで狙い通りにはいかないと思いますが、何度かこのように現場を見てから起業相談をする手もあります。
現在勤めている会社は辞めることなく、文字通り事前準備ですから、何度かミスを犯しながら自分の見る目を養い、起業の苦労を身体で感じることができます。
起業してからも引き続き重要な、自分の目で現場を見た上でモノゴトの判断をする習慣を、準備段階から身につけておくことがとても大事ですから。
起業する人にとっては、ネットを通して知ったつもりになることや、先入観に依存した情報ほど悪害のあるものはありません。「在庫を持たない起業」や「人件費は1円でも安く人を雇う」と言った思い込みは失敗の基です。
ネットで何時間も起業情報を捜すよりも、起業を考える業種の実店舗をウォッチングする方が、何倍も何十倍も生のビジネス情報を得ることができます。今は、事業の現場が最も頼りになる情報源です。
【ひと言】
今年は、リーマンショックで大暴落した株価が最も安かった2009年3月から8年目。アベノミクスによって日本経済は徐々に上昇基調と政府は喧伝していますが、実態は日本銀行が平均株価を買い支え、建前だけの株高を演出している状態です。グラグラのテーブルの脚が、一本何かに引っかかっただけで、ぐらっと倒れてしまわないか心配しています。
元気にお過ごしですか。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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