世界の小売ビジネスは、百貨店やスーパーからネット販売に軸足を移しつつあります。日本の場合は、ネットよりもコンビニ店の展開が他の小売業界に大きな影響を与えていると思われます。
そのコンビニ店による新たな事業展開が話題を呼んでいます。ファミリーマートは新たに、コインランドリーを併設したコンビニ店を、19年度末まで500店開設を予定しています。
コインランドリーは、小資本の起業家が今拡大を続けている人気のビジネスです。古くからの馴染みのコインランドリーと違い、ネットと最新鋭の大型クリーニングマシンは市場を一変させました。
その市場にコンビニ店が参入することになりますと、店舗の利便性のよさや本部の資本力がものを言いそうです。新たな参入により、新規のコインランドリーばかりでなく、既存のランドリーまでがお客さんを奪われそうです。
今回はファミマの参入がニュースですが、ここで成功しますとセブン-イレブンもローソンも当然のように参入してきます。過去には、コンビニ周辺にあった弁当店も、コーヒーショップも、書店も姿を消しています。
しかも、これまでは主に小売店が影響を受けましたが、コインランドリーということになりますと、今度はサービス業にも影響を及ぼすことになります。全国に約5万5千店あるコンビニ店のネットワークや底力が半端ではありません。
今中高年に人気のコインランドリー開業ですが、今後コンビニ店とのガチンコ勝負は決して分が良いとは言えません。慌てての開業はリスクが大きすぎるようです。
【ひと言】
今後、コンビニ店がコインランドリー業界に参入ということになりますと、その後は出店場所が大きなウエートを占めることになります。中心市街地で駐車場の狭いコンビニは併設が難しいですが、住宅地で土地に余裕のある場所ではもろにかち合う可能性があります。コンビニの資本力では、ランドリーマシンの製造にまで口を出しそうですから、下手な対抗心は持たないほうが無難です。
