今の時代に起業する人の中で、使命感や個人的哲学をもっている人に、成功している人が多いのは確か。成功した創業経営者には、この2つの命題を背負って、大きなビジネスを成し遂げている人が少なくないです。
最近は歴史を振り返る人が少なくなっていますが、明治以降の近代日本にとって、現代は3度目の動乱期と言われます。1868年の明治維新が、この国で最初の動乱でした。
それまでの権力集団だった武士階級が姿を消し、役人や軍人、商人が社会を支配する時代が到来しました。蒸気機関車や電気に代表される、機械エネルギーが国民生活に入ってきました。
1945年の日本の敗戦は、軍人が姿を消して経済人による大量消費大量生産の時代です。維新から敗戦まで、77年間がかかっています。近代日本の第一期が終わり、第二期の始まりです。
現在は、敗戦から72年が経ち、そろそろ次の時代が始まる気配がしています。このような時代の転換点においては、使命感と哲学をもった人が新たな時代を切り開く大事な役割を担っています。
維新のときには、福沢諭吉や渋沢栄一がいました。早く亡くなりましたが、坂本龍馬も時代の転換を意識した一人と思います。敗戦時には、吉田茂や松下幸之助などです。昭和天皇もそうかも知れません。
前二回の転換期をみても、時代が変わるときにはビジネスも大きく変化します。既に、人工知能(AI)、ビッグテータ、ゲノム編集といった、これまでとはまったく発想の違った新たな技術が続々と誕生しています。
多分、今後はアベノミクスや日銀の金融政策の破たんにより、経済の行き場を失ったときが転換点になる予感があります。そのときは、使命感と哲学をもった人が新たなビジネスの担い手、あなたかも知れません。
【ひと言】
若い人は、まだ今の時代がどのような時代か、気にすることはないと思います。長いこと生きてきますと、自分がどのような歴史を生きてきたのか気になります。戦争世代と比較すると自分は天国ですが、現代のように可能性が溢れ、賢く生きることのできる時代と比較すると少し残念でもあります。モノゴトの将来予測は、歴史を冷静に見る目を持つことによって、少しは先が見えてきます。