わが国の現在の財政事情を考えますと、年金は今後徐々に減額が避けられない状況です。今は、シルバー民主主義とも言われるほど高齢者の意見がまかり通り、若い人の意見や希望はどんどん後まわしになっています。
現在、ほぼ満額を貰っている65才以上の高齢者でも、年金だけが収入の生活は厳しいといいます。これから年金が徐々に減額され、人口減少で物価上昇が始まった場合、厳しい老後生活を過ごすことになります。
問題なのは、単に金銭的な不満が高まるだけではありません。現状では、60才や65才でリタイアすると、その後の75才から80才までの10年以上をどう生きるか、老後の人生の課題にも関わります。
これまで休みなく30年、40年仕事をしてきた人間が、いきなりリタイアしますと体調を崩すことになります。できることなら、第二の人生の仕事を探し、これまでの生活リズムと同じ調子で、収入とヤリガイとを得たいもの。
そのためには、学校の卒業を前に就職先を必死に探したのと同じように、第二の人生の仕事探をする必要があります。軽い気持ちで、これまでの仕事の延長線上で考えている人には、厳しい現実が待ちかまえています。
わたしの経験からいくつかの鉄則があります。「会社勤めをしている時代は友達ができない」今の仕事の同僚は、会社を辞めるとほぼ全員が、年賀状だけの付き合いなります。それ以上は期待しない方がよいです。
「自分が会社に対して思っているほど、会社はあなたのことを思ってくれません」会社と自分とのつながりは、共に働く同僚と自分とのつながりであって、会社そのものは無機質なものと思った方がよいです。
「メディアによく取り上げられる下級老人は決して人ごとではありません」誰もが、一度足を踏み外しますと今の生活からころげ落ちます。特に、本人や家族の病気、親の介護、離婚、災害や事故、年金破たん、不動産や退職金の取り合いなど。
第二の人生の生き方は、早くから真剣に考え、そして準備、実行することです。気くばりをして日ごろから心がけていると、予期せぬチャンスにも巡り会える機会も増えます。心配してるだけでは、新たな人生は絶対に拓けません。
【ひと言】
今も昔も、誰もがぼんやりとして将来不安を抱えて生きています。それでも、今から20年以上昔の人は、介護保険もない時代を元気に生き、最後はあの世に旅立っています。不安を感じるならば、今の毎日を必死に生きることで不安はなくなるといいます。人間、ぼんやりしているよりは、最後まで目標をもって人のために生きていることが、良い人生を過ごすことができそうです。
