最近、安倍首相の発言を聞いていて、日本の実態は前向きに進んでいるのかどうか、考えさせられてしまいます。17年11月の失業率が2.7%。3%を切るとほぼ完全雇用の状態といわれます。
世界的にみて、完全雇用は理想の社会のように思われますが、実際は非正規が多く給与も安くて、とても首相が自慢するような雇用状態ではありません。日本は課題先進国といわれますが、右も左も課題ばかりです。
日銀総裁は自信満々にマイナス金利を導入しましたが、今では金利を正常に戻そうとすると、想定する以上に長期金利が上がりそうで安易に動かせない罠にはまった感じがあります。
1100兆円に迫る国の借金にしても、今では税収を大幅に上回る年度予算組みを保つために、借金の穴埋めするための国債発行を10年、20年では終わりそうにありません。現在は、ほとんどその目途すら立っていません。
膨らむ一方の社会保障費、政権安定で問題解決のはずが問題を増やす安倍内閣、北朝鮮問題も米国と北との問題のはずが、いつしか日本が米国の肩代わりしかねないほどの軽はずみです。
すっかり世界の代表的な課題最先進国になっています。福島原発の廃炉費用にしても、原発からでる使用済み燃料処理問題にしても、これから重く国民の背中に圧し掛かってきます。
このような日本社会が抱える重要問題の解決は、最後の最後に国民から選ばれた政治が決めることになっています。ここでも、右を見ても左を見ても世襲議員ばかりの政治家が担うことになります。
政治の世界も、世界的に類をみない封建政治を思い起こすような世襲の世界です。世襲議員は、それが当たり前のように振る舞っていますが、結局はガチガチに固定した旧来社会の担い手です。
この先、増え続ける課題を解決するにはどうするとよいのか解決策はありません。一番考えられるのは、円が信用を失って売られることで大変なインフレになるか、財政が破綻して最低の公共サービスだけの社会になるかです。
年の初め、この国のこの先の行く末を考えながら、自分はどのように生きていくか考えるもの悪くありません。目を瞑って、何も考えないことが一番卑怯なことと思います。
【ひと言】
これまでは、東京五輪が終了した後の日本経済を心配する声が多かった。ただ最近は、五輪が始まる半年前には下降線は始まっているのではないかという声を、多く聞くようになりました。これまで増え続けてきた外国人観光客も、五輪を境に落ちることははっきりしています。しかも、内需を期待することはますます難しくなってきています。