一昨日わたしが会員になっていて、首都圏の産学官が集まる産業活性化協会設立20周年記念式典に参加しました。地元の中小企業を中心に、大学、自治体、コーディネーターなどが参加している団体です。
今回、登壇して話された会社経営者の話を聞いていて興味をもったのは、1社がAI(人工知能)の仕組みを現在の事業に組み込んでデータ化を行っているベンチャー企業。
昨年から約500社の問い合わせがあって、そのうちの20社が話になりそうな会社というほど追い風が吹いているようです。ほとんどの会社はAIに関するリテラシー(IT能力)が不足で、導入は難しいということでした。
わたしもデータ分析には強い関心をもっていますが、企業が自分の事業のどの場面でデータ集めをしてビジネスに生かすか、意外と難しい問題です。また、必要とするデータを探し、集めても実際に事業で生かせるとは限りません。
この会社は、事業運営のために多額の資金を集めていますが、今後実際のビジネスで生かすとなると、これからまだまだ山あり谷ありの状態が続くようです。
もう一社は、物流技術、静電対策、発掘文化財保護・運搬を行っている会社。元々は合成樹脂商社として発足し、その後は顧客のニーズに応える中でビジネスを広げてきた会社です。
会社の業態はバラバラに広がっていて、上場企業ならば効率が悪いと非難されるところでしょう。小企業ならでは小回りの良さで、高い生産性を上げることに成功しています。
この2社、どちらも従業員数が80人と20人程度の中小企業です。一方は、時代の波に乗って顧客を選別する立場にある会社、もう一方は、顧客ニーズに応えて会社のカタチを変える会社。
コンピュータの導入期、システム開発会社もたいへんな人気でしたが、汎用ソフトの開発が進み大手だけが残りました。技術に特化した静電対策や文化財の方が、市場が小さいだけに息が長いような気がします。
【ひと言】
わたしの住む東京西部の国道16号線周辺は、戦後大手企業の製造工場がたくさんあった名残で、中小製造工場が今も少なくありません。ただ、昔と違って現在の会社はほとんどがオンリーワン企業や、それに近い独自技術をもっている会社です。経営者の方々はとても先進的で勉強熱心です。そこで共に仕事をしているコーディネーターも必死です。