3年前に一度、メールでコインランドリー開業に関し問い合わせのあった人から、今度は難しい問題が寄せられました。50代の男性で現在は会社勤めをしながら、シェアハウス開業に手を出していました。
コインランドリーの運営会社を探している最中に、シェアハウス運営会社のサイトに惹かれ、軽い気持ちで説明会に参加したようです。「(シェアハウスは)あとあと資産として残る」の言葉に引き付けられたようです。
今は8000万円近い借金が残っており、退職金をすべてつぎ込んでも完済するのは難しい。建物は残っていますが、所在地のロケーションや建物の間取りを考えて、他の用途に転用することは無理なのが現状です。
この人とメールのやり取りをしていて感じたことですが、コインランドリーからシェアハウスへ切り替えるときも、その営業を続けることが難しくなったときも、ほとんど一人の判断でモノゴトを動かしている点です。
どんな人でも、一人の人間の考えが及ぶ範囲は限られています。また、視点も、視野も、問題を考える範囲でいうなら、精々5%か10%の範囲をぐるぐる巡っているとしか思えません。
圧倒的に情報が少な過ぎますし、事業やビジネスに対する考える方も稚拙すぎます。現代のビジネスは、いかに投資を少なくするか、ITの活用を柔軟に取り入れ、事前準備によって開業の水際まで学ぶことが可能です。
逆に言いますと、シェアハウスの仲介会社は、ほとんど情報のない人ほどカモにできることになります。メールで聞いた話では、事前に一度もシェアハウスの実態を下見することもなかったようです。
少しでも発想の豊かな人なら、何も仲介業者に頼らなくても自分で中古住宅を手当てして、格安のシェアハウスを運営することも可能です。起業においては、このような奇抜な発想を生かして事業化を進めることです。
これから事業を起こそうとする人なら、少しでも多くの人に相談に乗ってもらって、事前に問題点を整理した上で起業するべきでは・・ 低額資金による起業スキルの向上を図ることができるからです。
【ひと言】
難しい問題を解くコツは、多くの情報を集めること。一人で悶々と考えても出てくる答えは限られます。特に、回答が一つだけではない問題では、頼りになる人に集まってもらって、自由にあれこれ考える中から選択していくと判断しやすいです。今の時代、一人で悩んでも適切な判断が難しいことを、シェアハウス問題を通じて感じます。