今から12年前、わたしがコーディネーターとして開業届を出した翌年に、東京西部で飲食店を開業した当時50代男性が、このほど店を閉じました。同時期にサラリーマンから起業した人で身近に感じていただけに残念です。
18年に入ってから店舗を畳む人が数人続いていて、何となく時代の変化と不安とを感じてます。弁当店から高級弁当に顧客ターゲットを変換した人も、結局お客さんの減少が続いて廃業しました。
デイサービス、学習塾、喫茶店、居酒屋、自動車部品販売、システム開発など、わたしの地域では比較的古くからの事業で廃業する人がほとんど。新しい業種では、DVDレンタルや携帯代理販売店くらいです。
ここでわたしが問題視したいのは、事業を止めた経営者の多くは60代の人で、そこからまだまだ人生は続くことです。事業を止めてほっとした人がほとんどですが、同時に次の展開を考える必要あります。
上手く事業資金が残っていて、次の事業を探せる余裕があるとよいのですが、多くの人は生活資金を貯めるのは精一杯で事業資金までには手が回らないのが現実です。
起業を目指す人は、開業するまでをゴールと考え、その後のことまでをほとんど考えてはいません。実際に開業することができたとしても、その先の目標を的確に設定できる人も少数です。
多くの起業家はそこで満足してしまって、このまま息の長いビジネスを続けることばかりを考えがち。実はここに落とし穴があって、洋服や料理の流行と同様に、ビジネスの陳腐化も確実にしかも早く進んできます。
【ひと言】
時間の進みの遅い時代でしたら、次の展開をゆっくり考えてもよいのでしょうが、今は流行りの展開がとても速いです。そのため下手に流行に乗ってしまうと、一時的にはメディアやSNSで取り上げられ大騒ぎしますが、その波が終わるとそれこそ人がほとんど寄り付かない状態になります。それからの復元力があるかないか、波に乗るのも難しいですが、その後の展開も難しいです。