17年、ネット販売への投資が、店舗販売への投資額を初めて上回りました。ネット販売の投資は、その多くが倉庫や物流拠点建設のための投資のことで、1兆588億円前年比ではプラス5%でした。
店舗販売は小売店の店舗取得や内装、外装費用のことで、9329億円マイナス14%も落ち込みました。18年国交省建築着工統計からの数字ですが、小売業界の流れが対面からネットに徐々に移っていることが判ります。
わが国の場合、ネット販売の普及率は他国と比較して送れていました。現在でも、16年世界のネットが占める小売りの比率は平均で8.5%。米国でも7。0%なのに対し、わが国は最近の盛り返しでやっと5.4%です。
そのため、まだまだネット販売には成長する余地があると言えます。1.夫婦共働き家庭は今後まだまだ増えそうです。2.これまで高齢者はネット販売とは無縁とされてきましたが、これからの高齢者には当てはまりません。
3.人口減少が進む地方都市においては、商品の取り扱いをしていない店舗に代わって、ネット販売が幅を利かせる時代が到来します。国土の大きな中国、米国、カナダなどのような傾向が日本でも起きそうです。
一方ネット販売にとっての障壁となりそうなのが、商品を運ぶ運送会社の人手不足によって、物流コストがこれまで以上に高くなることです。ネット価格は安いといった定説がぐらつくかも知れません。
また、ネット販売の3大プラットホームである、アマゾン、楽天、ヤフーの3社寡占体制が固定化したままだと、次第に競争原理が働かなくなる可能性もでてきそうです。便利でも安くもないネット販売になるかも知れません。
今後、まだまだネット販売が拡大する余地は大きいと思いますが、新規に参入する事業者にとってネットは使い勝手が良いのか、利益をもたらしてくれるのか考える余地も大きいそうです。
【ひと言】
これからの時代、ネット販売を取るか店舗販売を取るか、二者択一の選択よりも、どう組み合わせるかが勝負ではないかと思っています。無理やり一つの舞台で二つのビジネスをするより、二つの舞台で二つのビジネスがこれからの
やり方なのでは。今は、新たな方法の草創期なのでここは悩むしかなさそうです。