4月30日付日経МJには、けっこうショッキングな記事が載っていました。メルカリとブックオフを対象に、中古本やゲーム、DVDなどを売った場合の買取価格を集計しています。
村上春樹の「騎士団長殺し」 「大島優子写真集」 ゲーム「ビクミン2」 映画「パシフィック・リム」など33点で、ブックオフでは10円の値がついているけれど、メルカリでは買い手つかずといったケースもあります。
その結果、ブックオフでは合計2795円であったのに対し、メルカリは8029円と大幅な差がつきました。ただ、メルカリの場合は10%の手数料がかかり、別途売り手には郵送料もかかります。
最終的には、メルカリはブックオフより5割程度高く売ることができたようです。このような流れが次第に定着しているようで、ブックオフは商品の調達力が下がり始めています。
在庫回転数も5年連続で悪化しています。1990年の創業から28年、昔からの小ビジネスとして定着していた古本ビジネスを大きく変えたブックオフは、新たなメルカリスタイルの前に厳しい場面に遭遇しています。
このような流れは、古本ビジネスの世界に限った話ではありません。今の時代、どんなビジネスにおいても新たなビジネス、特にネットを組み合わせたビジネスの台頭によって、従来の勢力図が塗り替えられています。
現在は大手として上場まで果たしている会社にしても、いつ新たなスタイルに足をすくわれるか分かりません。ほとんどの業界で新旧企業やモデルの入れ替わりは起こっていて、その波が新たな起業の原動力にもなっています。
【ひと言】
ブックオフ創業者は坂本孝さん。「俺のイタリアン」など、個性の濃い業種の違うレストランを次々に展開する異色経営者です。メルカリの社長 山田進太郎さんは、13年の創業以来破竹の勢いで事業を拡大していて、今後は上場と海外進出を計画しています。舞台にアナログとデジタルの違いはありますが、起業家精神の旺盛な二人が共にリサイクルビジネスなのが面白いです。