アメフトは、日本では知られているスポーツなのに、実際に試合観戦した人は、極端に少ない競技の一つではないだろうか。その競技の終わった対抗戦に、こんなに国民の関心が向けられているのも皮肉な話です。
日大と関学との春季交流対抗戦での競技中に、日大選手のラフプレーを巡りメディアが大きな騒ぎになっています。多分、このようなプレーは今回が初めてではなく、過去にも起こっていたのではないかと推測されます。
過去と違うのは、ネットやスマホの普及によって、日本一を目指す公式戦ではない対抗戦といえども、多くのカメラがこのプレーを映していたこと。ネットで大きな話題になって鈴木スポーツ庁長官がプレーを非難したこと。
レスリング競技でも、女子選手とナショナルチーム強化本部長の間にパワハラがあったと認定されました。一部のスポーツ指導者と選手の間には、絶対服従に逆らえない空気があって、そのストレスが現役やОB、ОGには溜まっています。
スポーツ競技指導者をリーダーとして考えたとき、現代は戦前から続く精神論重視の勝ち方全てを知っているとするリーダーと、選手の自主性重視の勝ち方は選手にお任せのリーダーとの2つに分かれるようです。
高校野球のように全国からの熾烈な競争を勝ち抜く競技では、早い時期から選手たち個々の判断を重視するチームが強豪とされています。以前のように、一挙手一投足まで監督が指示するチームでは勝ち上がることは難しくなっています。
リーダーが大きく判断や行動を間違えると、先頭に立っている自分の後ろには、誰も並んでいない事態が起こります。アメフトも世界レベルの試合をしているなら監督と選手の関係も違うのでしょうが、国内で少ないチームだけの世界では陥りやすい穴です。
企業経営においても、同じようなことは起こります。人を雇っているから自分がリーダーのはずと思っても、パートやバイトに一斉に辞められ、閉店に追い込まれる店舗が最近は増えています。
【ひと言】
わが国では、昔からリーダーシップは一部の政治家や大手企業経営者には必要で、それ以外の人には無縁の知識とされてきます。現在の、一部の政治家や官僚による勝手気ままな言行は、このあなた任せの風潮から生まれたと思います。そろそろ経営者もスタッフも、リーダーシップに関しては基礎的知識を身に着けるべき時期にきているようです。