長年、いつか起業したいと思いながら、いつも起業の本丸を囲む塀の周りを、グルグル回り続けているだけの人がいます。わたしも過っては、そんな実現性の低いグルグル組の一人でした。
これまでコンタクトした人の中にも、このような入口から先に進めない人が多くいました。一時は、集中的には起業に向け真剣に深く考えるのですが、それが継続しないためまた振り出しから何度も考えるタイプの人。
あるときわたしが気付いたのは、自分は忘れやすい人間であること。日が経つと起業のことなどまったく考えなかったように、頭の中からすっきり消し去ってしまう性格であることです。
ただ、これはわたしだけでなく誰もの脳の働きとして、覚える能力があるのと同時に消し去ることも能力として身に付いているようです。確かに、一度記憶した物事がいつまでも消えないと、頭の大きさが今の数倍必要になります。
しかも、いつまでも同じ事柄を覚えているため、人間関係のトラブルが今の何倍も多くなって、事件の多発する社会になることは違いないです。頭の良い人ばかりの怖い社会です。
結局わたしは、起業に関して考えた事柄を、継続的に思考する方法を見つけることができたなら、いつもゼロから始める時間のムダをなくすことができると気付きました。
こんな単純なことを思いつくまでけっこう時間が掛かっています。「継続は力なり」とは、技術や能力を高めるために使われる常套句です。この言葉に嘘はありません。
考える事柄の内容を積み重ねることができるようになって、初めてビジネスのカタチが形成されるようになりました。この地点にたどり着くまで、人から笑われるような時間を掛けています。
起業実現に向け突き進むということは、このような日常的な技術やコツ、ビジネスの戦術やマーケティングを一つ一つ獲得していく、プロセスの連続性ではないかという、そんな気がしています。
【ひと言】
これまで社員として仕事をしてきた人が、起業していきなり経営者としての判断を求められて失敗する。平静な気持ちで考えると当たり前のことですが、ビジネスとして起業するとなるとこれが当たり前でないところが怖いです。起業を勧める側の論理では、社員も経営者も同じように考えがちですが、実際は想像以上に大きな違いがあることは確かです。