セブンイレブンが販売している冷凍食品「牛カルビ焼き」(税込298円)が話題になっています。あらかじめ焼いてあるカルビ肉を、レンジでチンして食べるだけの発想がこれまでなかったからです。
特に、肉料理の専門家といわれる人にとって、あらかじめ焼いてある焼肉を温めるだけで食べるなど邪道と思われていました。セブンにとっても事前の想定と違っていたのは、女性の若い人たちに人気のあることです。
コンビニ経営にとって、若い女性を多く集客することは課題の一つです。若い女性の集まる場所には男性が集まりますし、店内の雰囲気も明るく居心地のよい店内にもなります。
この「牛カルビ焼き」が売れている要因の一つに、焼肉なのに煙の臭いをさせないで食べれる点があるようです。自宅で焼肉をすることを考えると、どうしても煙をもうもうと上がるイメージがあり、焼肉は自宅では無理と思う人が多いです。
また、一人で手軽に焼肉が食べれることも人気の秘密です。焼肉といいますと、どうしても数人のお客さんがお酒を飲みながら、ワイワイと賑やかに食べる印象があります。
そんなイメージとは別に、一人で焼肉をご飯に乗せたカルビ丼を食べたい人がいても不思議ではないです。「部屋や手を汚さないで焼肉」とか、「時間をかけずに一人焼肉」とか、新たな発想による新商品を生むコツがありそうです。
【ひと言】
自動車が生まれた背景は、休まずに早く走る夢の馬車を作る延長線上で生まれたといわれます。コンビニ店は、利用者が家の近くで日用品や食品を揃えることができる、時間を買うことが目的です。ヤマトの宅急便は、飲食店の中で牛丼一だけの一品料理に絞り込んだ、吉野家の商法がモデルです。今では当たり前のビジネスですが、そこに至るまでには驚くような背景のあることをお忘れなく。
