飲食店経営の魅力は、近所に大手チェーン店が営業していても、お客さんから支持を集めることができると、売上げや集客で肩を並べることができます。
資本の論理では、単独で経営するラーメン店や居酒屋が、日高屋や和民には敵いません。それが地域によっては、大手よりも人気のある店舗を作ることが不可能ではありません。
起業で、そんな魅力を感じることのできるのが飲食店経営です。実際、現在も開業する人の多い業種ですが、一方では早々に廃業する人が多いのもこの飲食業の特徴です。
飲食店開業をする人に共通しているのは、皆さん自分なりに理想の飲食店像や自分にとって居心地のよいお店を作ることが目的です。当然、来店してくれるお客さんにとっても心地のよい店になると信じています。
これから進める事業に対し、具体的な目標を持つことは大事なことです。ただ、目標に向かうときには、スタートする自分の足場がどの辺にあるのか、よく知っておく必要があります。
どんなビジネスにも共通することですが、まず現状認識をして自分に何が不足して何が十分あるか、知っておく必要があります。既に体力が衰えているのに、週に数回は早朝の市場に仕入れに行くとして頓挫した男性。
和風の落ち着いた食事を提供する目標なのに、スタッフ集めが上手くいかなくて中国人スタッフが接客している割烹料理店。今は、新規参入店では高級食材の入手が難しくなっているケースもあります。
ご自身の経営能力も含め、開業に当たっては現状認識が欠かせません。現在は、起業準備にそんなに時間をつかっていてはビジネスの鮮度が落ちると考える人がいます。
ただ、後から鮮度を保つ方法を考えればよいだけの話で、開業して直ぐに行き詰るよりは気が利いています。あなたは、現状認識をどう考えていますか。
【ひと言】
別に具体的根拠のある話ではないですが、お酒を飲まない人が開業する居酒屋は案外長持ちします。女性客が多く来店する飲食店は繁盛しています。逆に、固定客ばかりに占拠される飲食店は、ビジネスとして頭打ちです。多くの経営者にはよく知られた傾向ですが、長い開業のうちには、このジレンマから抜け出せない経営者が多くいます。