将来、過去の歴史を振り返ったとき、18年は歴史的好景気の時として記憶に残りそうです。ただ、株価が急騰したとか、地価が上昇したといった大きな要因があるわけではありません。
現在の好景気は、失業率が歴史的低水準である上に、労働人口の減少が急速に続いているところから、省力化を支えるロボットや工作機械の市場で、空前の活況が続いているためです。
その上に、20年の東京五輪開催に向けて施設建設が今を盛りに続いていますから、バブル経済以降では経験のなかったほどの好景気が、盛り上がりを見せています。
ただ経済は最高潮に達しますと、その次に起こるのは景気の失速です。いつの時代にも、膨らみ続けた好景気は限度を超えるとパンクしまう。景気の波も高くなり過ぎると景気循環により、次は小さくなります。
このところ、今の好景気の中でも窮地に陥っている名門企業が話題になっています。もし、そのような名門企業に勤めている人、これから起業しようとする業界でライバルになりそうな人は注目です。
一つは、採算の取れない事業や計画をいつまでも引きずっている会社。名門企業として地域でよく知られている会社のなかには、大きな戦略の誤りを犯していたり、不採算事業で人知れず苦しむ会社があります。
二つ目は、創業オーナーが長い期間君臨していて、急速にビジネス環境の変化している今の時代でも、古い時代の経営手法にしがみついている経営者の会社は要注目です。
三つ目は、創業者一族が代々経営を担っていて、親族以外には経営に関わっている人のいない会社です。中間層の人材が不足しているため、会社が苦境に陥るといきなり経営が厳しくなります。
過去の不況と違い、これから待ち受けている不況は金利にしろ、不況対策にしろ、政府日銀はほとんど対策を準備していません。好況が低いレベルでダラダラと続いたように、次の不況もダラダラと続きそうです。
【ひと言】
経済を成長させる原動力は、1.人口増加による需要の拡大 2.スマホの普及のように、国民生活を変えるようなイノベーションの普及 3.企業が投資をして設備を拡大する3点が基本です。今は、人口減ですが外国人観光客増で需要は微妙、イノベーションとなる商品はなく、企業の省力化投資頼りです。どう考えても、今年末から来年には景気後退の時期と考えてよさそうです。