事業での第一の柱である販売に関して考えたいと思います。「このところ暑い日が続いているため、商品が売れなくて参っています」という経営者の声をよく聞きます。
近年、夏は記録的猛暑の日が続くため、売上げがガクッと落ちるケースが多くなっています。その後、気温が下がるに従って売り上げも元に戻ると問題はないのですが、落ちたままといったお店も少なくないです。
夏の暑さで消費や生活パターンを大きく変えた人が、秋に入ってもそのまま以前の消費行動には戻さないためです。実際、若い人は買い物をするお店への忠誠心はあまりないようです。
現代は、販売している商品に大きな優劣の差は付けづらく、お客さんを引き付けるマグネットの役割は小さくなっています。逆に大きな役割を担っているのが、商品を販売している売り手スタッフの魅力です。
わたしの街では、車道を挟んで食品スーパーのヤオコーとヨーカ堂とが競い合っています。人口8万人ほどの街でこの両者が向かい合うと、間もなくどちらかが潰れると噂されましたが、今のところ互いにしのぎを削って集客も悪くないようです。
こんな上場している大手企業同士の競争にも、販売スタッフの魅力は大きな影響力をもってます。買い物をする奥さんたちの話では、やはり笑顔や受け答えで買い物のしやすい店は決まると言います。
今は人手不足が深刻なため、スタッフに対する声かけにも注意を払う経営者が多い時代です。ただ、言うべきことを言わないで気を使ってばかりいると、こんどはお客さんの方に逃げられてしまいます。
本来なら、しっかりしたスタッフ教育をしないと、お客さんと直接接する重要な仕事は任せられません。売上げを上げるも下げるも、彼ら彼女らには大きな役割をお願いしています。販売員ファストは好調なお店の共通テーマになっています。
【ひと言】
ロボットやAIが、ビジネスで幅を利かせるようになるほど、人間が果たす役割は大きくなるようです。特に小企業の場合は、大量購入大量販売とは反対原理に従って、人間のきめ細かい対応によって接客することが生き残る道です。モノからコト消費へとプロセスが変わることは、少量販売にとっては追い風になります。