わが国では、専門業者に全てを「お任せ」運用してもらう仕組みにあまり慣れていません。現在は、ゼロ金利が社会全体に行き渡ったことで、少しでも利幅を上げる目的でお任せビジネスが拡がっていると思われます。
最近始まったお任せには、信託銀行や証券業界が一斉に始めたラップ口座があります。資金投資の専門家に任せることで、少しでも資金を増やそうとするゼロ金利時代の究極の金融ビジネスです。
他にも、レオパレス21が行っているアパート建設とその後の入居者募集、運営を請け負うアパートビジネス一貫サービス。コーンランドリーや幼児教室などにも、お任せサービスは広がっています。
このようなお任せサービが広がっても、本当に安全に長期的ビジネスが可能なのか、疑る人も多いのではないでしょうか。わたしも、人任せのビジネスは不審感が強いです。
高金利を謳って資金を集める詐欺の場合、最初の1、2年は呼びかけ通りの高い金利配当を支払い、投資した人が安心して資金を増やしたところで詐欺師が姿を消す手口が常識化しています。
わが国での「お任せ」ビジネスに共通している点は、どの業種もサービスを始めて日が浅いこと。企業経営においても、開業から2度以上は危機的環境を経験していない経営者は信用されません。
お任せも本当に任せられるのかどうかは、大波を経験しないことには評価はできません、また、変化の激しい今の時代、変化の対応が難しい業種では、専門家と言われた人たちが経営判断を間違えるケースが増えています。
また、お任せビジネスに投資をするだけでは、一生の財産にもなる起業スキルを身に着けることはできません。成功も失敗も他人に任せないでも、自分で経験することがこれからの時代を生きる知恵と思います。
【ひと言】
日銀がゼロ金利を導入して以降、巷では詐欺事件が多発していますし、金融業界は経営が厳しくなっています。少しでも金利の高い甘い誘いにのる、中高年が増えています。ただ、起業する人に対して金融機関の貸し出しは厳しいですが、一度実績のある人に対しての貸し出しは緩くなっています。この環境の変化をどう生かすか、古い発想では難しく、逆に騙されやすくなっています。