9月6日午前3時8分、北海道で震度7の大地震が発生したとき、わたしは道央の新得町の友人宅で激しい揺れに遭いました。震源から約90キロ離れたこの町は震度4でした。
その後、直ぐ電気を点けましたら蛍光灯が点いたので安心して寝ました。この地震発生の直後、当事者の北海道電力では大変なことが起こっていたことを後日知りました。
確かに地震直後に電気は供給されていましたが、17分後の3時25分には「ブラックアウト」によって全道の電力網はシャットダウンしました。この17分間に北電はどう行動したのか、今後情報公開が待たれます。
今のところ知られているのは、地震直後の3分間に本州から北海道へ60万キロワットのフル送電によって、周波数調整が完了しています。その後の14分間で電力を通す地域と遮断して停電する地域とを決める必要があったようです。
全体の発電量が減っているため全道への供給は難しく、14分の間に自動的に停電させて広域停電を防ぐ「負荷遮断」をすることで、全道での停電を避けることはできたと言われています。
北電の工務部長は、「急激な供給力の喪失があったため、負荷遮断が間に合わなかった」と言っています。14分間での判断ですから事前に十分準備していないと、当日のいきなりの判断は無理です。
判断をしない、できない日本社会の一断面がこんなところでも顔を出します。結局、全道停電の大変な事態になることは判っていても、誰も責任を取りたくないため、何もしないで最悪の事態になるのを待つのが日本社会。
これは、国や大企業だけの話ではありません。小企業においては、判断を全て経営者に集中させる仕組みにしているため、店頭で重大事が発生しても経営者が戻るまでは、何も決められず事態を深刻化させるケースがほとんどです。
今回の北海道地震はデジタル化の流れに沿って、ピラミッド型からフラット化組織へと変換させるよいきっかけになりそうです。経営者は、この機会によく考えて「ありえない」事態への対応を考えてみる必要があります。
【ひと言】
友人宅で地震に遭う前夜に聞いた話では、この家の周辺は16年8月の北海道豪雨で家が2軒流された場所に近く、泊まった家も川沿いに建っています。そのため現在は護岸工事の最中で、早い時間から工事をするので家が揺れると聞いていました。実際、地震の揺れと工事の揺れを最初は勘違いしていました。それにしても、この国は相次ぐ災害に襲われ、対策費用は大丈夫かと心配です。