「新しい大人文化研究所」の調査によりますと、60代の人の9割がシニアとは呼ばれたくない意識が強いそうです。英語本来のシニアは、最上級とか、年長者という意味で使われます。
高校はシニア・ハイスクールと呼びますに、競技でのシニアコースはハイレベルな選手による競い合いです。決して、年寄りを対象にした名称ではないのに、人気のないこの名詞を使い続けている会社が多くあります。
若い世代の人が起業した会社の中に、このシニアのもつ語感に無神経な使い方をする会社が少なくないです。商品紹介やキャッチコピーでもシニアが使われているケースがありますが、決して好感をもたれないことは確かです。
一方、中高年の起業家がよく口にする言葉に、「大きく儲けなくても、起業して食べていけたら」がよくあります。会社のホームページにまでこの言葉を書き込み、強欲なビジネスではないことを伝えたい気持ちありありです。
ただ、お客さんからすると、起業家が儲かるかどうかなど全く関心なく、要は商品やサービスの購入者に役立つかどうかが問題なだけ。起業する以上は、人に役立つビジネスで少しでも儲けることを考えた方がよいです。
この2つの例は、起業の時によく見受けられる無自覚な言葉遣いのよい例です。問題なのは、社会の流れや他人の思いにほとんど注意を払わず、自分の都合と自分の発想をそのまま押し通そうとする意識にあります。
起業においては、多くの人の支持があって、初めて新たなビジネスが社会に受け入れられるもの。独りよがりにならないで、できるだけ多くの人の話を聞くことが大事なのでは・・・
【ひと言】
技術の最先端であるIT系機器の接続にさえも相性のよしあしがあります。ビジネスにおいて、相性のよいキーワードと悪いキーワードがあるのはそんなに不自然ではありません。ただ、ビジネス経験の浅い人や細部に神経の回らない人は、この相性を無視しがちです。人間関係と同じように、うまくいく人の組み合わせと上手くいかない人同士はあるとわたしは思っています。