10月10日のNY株式市場は、ダウ工業平均株価が831ドル安と3.15%の大幅安になりました。釣られて日経平均株価も915円安の3.89%マイナスを記録しました。
世界的な同時株安は今年2月2日にも起こって、米国の長期金利上昇とトルコの通貨危機とをきっかけに、2.54%安以来のことです。暴落初日の下げ幅が、今回は大幅に高くなっていることが気になります。
IMF(国際通貨基金)が9日、18年・19年の世界景気予測を公表し、両年共に0.2%の下落を見込みました。米中の貿易戦争が長引くことも予想され、景気の踊り場とみられていた世界景気は一気に下降局面にあることがはっきりしました。
トランプ大統領は米中貿易戦争によって、米国と中国との経済を2つに明確に分けようとしています。しかし現実は、想像以上にグローバル化やサプライチェーンが進んでいて、今後は共に沈みゆく道を進むことになりそうです。
また、今回の同時株安は米国経済に対する不安が発端のはずなのに、株式の下げ幅は日経株価の方が大きい現象が起こっています。負債デフレ論が囁かれるように、日本の過剰な債務は経済の足腰の弱さを露呈しています。
東京株式市場と言いますと、日本人による株の売買市場と思われがちですが、常日ごろ売買に関わっているのは外国人投資家が7割を占め、日本の個人投資家が2割、法人が1割なのが現実の市場の姿です。
世界経済の空模様は、徐々に重い雲が立ち込めている状態です。何かのきっかけで、いつ雨が降り出しても、それが本降りになってもおかしくない状態に入っています。
これからのビジネスにおいては、慎重な立ち回りをすることが求められます。安易に起業に突っ走ったり、新規事業を慌てて始めることはお勧めできません。
【ひと言】
これから世界経済に何が起こるのか、予測するのは難しいです。新興国経済から資金が引き上げることによる金融危機は、過去に経験があり対策も考えられているので、心配する人は多いけれど可能性は低いと思います。それよりは、中国の大幅な経済減速や英国のEU離脱の失敗、日本の地銀破たんからの連鎖などが怖いです。