今年に入って、起業準備を始めたけれど上手くいっていない18人から話を聞いてデータ作りをしています。実際に起業をしたわけではないので、損失を出したわけではないですが、自分で自分に起業は不向きのレッテルを貼ることになった人たち。
18人中14人は、自分にも起業はできないか考えた結果、起業する方法の本を買ったり、ネットで起業の進め方を調べたりを始めています。中には、直ぐに起業の業種探しに着手した人までいました。
これまで長く起業に関わってきた人間から見ますと、初めてサッカーをしようとする人が、いきなりサッカーボールを買ってきてゴールキックの練習をする光景に似ています。多分傍から見ている人から、いきなりボールはないでしょうと突っ込みを入れたくなるシーンです。
既に体力のできている人なら別ですが、初めてサッカーチームの門をくぐった人なら、まずはランニングやストレッチをして安全のため筋力をつけることをコーチから言われるはず。これは、起業を目指す人にも同じことがいえます。
起業のための業種探しを始めるよりは、まず自分の頭の働き方をチェックする方が先。起業にとって必要な脳の働きを身に着けることは、サッカーにおける基礎体力をつけることと同じ効果が得られます。
起業に限らずビジネス全般に言えることですが、これから大きな課題に取り組むときは、まず自分なりの目標を設定することです。「毎日1時間は起業に取り組む」とか、「毎月2万円を資金として貯める」など。
目標の対象は何でもありです。まずは自分を自分でコントロールできるようにすることで、ビジネスでの基礎体力をつけることにもなります。また、自身で深く考えることも習慣化することができます。
怖いのは、せっかく目標を決めて取り組み始めたのに、何日かが経つと目標自体をすっかり忘れてしまうことです。これは人間誰もが抱える一晩寝るとすっかり忘れてしまう習性がなせる業のようです。
この忘れる業にも負けない自己コントロールを早い段階で身に付けてから、本格的な起業準備に取り掛かった方が間違いないです。急がば回れの格言通り、無形のあなたの資産になるはずです。
起業経営相談です
【ひと言】
慌てて起業にとりかかるより、起業準備に時間を掛けるのには理由があります。ネットが広く普及したことにより、新たな事業が広く知られるのに時間が掛からなくなりました。開業後、3カ月、半年で知られることは新たな事業にとってプラスですが、一方でお客さんが飽きるのも早くなるマイナス面もあります。そのため、早くに次の手を打たないと事業がじり貧になるので、準備に時間を掛け経営能力を高めておく必要があるからです。