最近、都市部の飲食店街で話題を集めているのが、薄暗い店内で飲食を行う「
暗闇ダイニング」だ。
元々は、中年層を対象に落ち着いた雰囲気で時間を楽しく過ごしてもらう狙いで創られたが、若い層の人気も上々である。しかも、女性人気に引きずられるカタチでカップルの来店が多いところから、利益幅が大きく息の長い商売として注目されている。
薄暗い店内の最大の狙いは、店舗運営のコストダウン。店のオーナーは、店内照明の光量を落とすことで、電力使用量を減らせると考えた。同時に、開店で最も費用の掛かる内装費の軽減が図れるとも踏んだ。オーナーの読みはここまでだったが、実は仕事を終えて化粧に気をつかわずリラックスした雰囲気で楽しみたい女性にとって、足元だけの間接照明はお酒を楽しむ最高のダイニングだったわけだ。
しかも、現実とはまったく別な空間が意識されたり、エロティシズムを感じたり、日本人の文化にも影響を及ぼしそうな「暗闇ダイニング」。起業のヒントとなりそうな現象である。