介護ビジネスを展開する会社の倒産が急増しています。特に、訪問介護と通所介護サービスで社員5人未満の小企業は、経営が厳しさを増しています。倒産ばかりでなく、廃業するケースも少なくなりです。
15年4月の介護保険法改定以降、事業所への国の支払が減額されたために経営悪化を招いています。2000年から14年までは、誰が経営しても黒字と言われた介護ですが、今後経営力のない会社は難しいです。
これは、介護ビジネスに限ったことではありません。日本のビジネス全般にいえることですが、何か問題が起こると小企業の場合、ほとんど無抵抗に倒産や廃業になってしまいます。
狂牛病発生時の焼肉店、法律改定による消費者金融、人材派遣業などでは、業界の半数近い会社がなくなりました。これは嘘ではなく、情報集収や転業など探ることなく、悲しいほどあっさり消えてしまっています。
これまでの開業では儲けることばかり考え、経営の基本やビジネスの仕組みにまったく目を向けなかった結果です。儲けてさえいたら、会社は永久に持続するものと思い込む経営者が大半でした。
今の時代はネットの悪評や水害など自然災害が発生、お客さんの心変わりが起こったりで持続は難しいです。そんな中、最初に経営を学び、そのうえで自分に合った事業を探すはずの、MBA出身者でも失敗する人は少ないです。
開業は、持続性を伴わないと成功ではありません。花火のように一時的に大騒ぎして終るのは、開業資金や時間のムダです。どうすると長持ちする起業が可能なのか、真剣に考えるべきです。
最初に経営やマネジメントを身につけ、その上で自分に合った事業を探すのが、起業で成功するための第一歩のように思います。慌てず、焦らず、諦めずの精神で、成功に向かってください。
【ひと言】
現在、起業を目指す人はライバル企業の多さに苦労していますが、同じように既存の会社経営者も生き残ることに苦労しています。PR方法にしろ、会社の管理方法にしろ、あまりに変化が激しいために、昔ながらののんびりした手法では通用しなくなっています。ただ、時代は変わっても会社の経営手法の基本は変わりません。この基本の抜けている人の多いことが失敗の原因のようです。