学習塾業界でのRIZAPと言われているのが武田塾。この塾の特徴は、その指導法が集団授業でも個別指導でもなく、塾生自身による自己学習が基本というところが驚きです。
著名な塾講師がいるわけではなく、塾生が学習で使用するのは選ばれた市販参考書を多数用意しているだけ。しかも、塾に出かけるのは週一回でその時は学習コーチと一対一の面談をします。
講師ではなくコーチであることが武田塾の仕組みを色濃く現わしています。面談では、一週間の学習の成果を聞き取り、次週の学習計画の作成をコーチと行います。
この塾の指導法のポイントは、塾生の成果に応じて管理体制に強弱をつけているところ。成績不振の塾生の場合には、強制的な学習体制が敷かれ、コーチが直接電話をして集中を切らさないように促す仕組みです。
決して、誰でも学習成績が上がるわけではなく、塾への加入に際して自主的にやる気のある生徒だけを対象にして、目標達成に向けずっと寄り添う徹底的な管理を行います。
これまでの学習塾は、授業ではきめ細かく痒い所に手の届く指導を行いますが、一歩塾を出るとすっかり頭から学習は消えてしまい、多くの塾生はゼロと入力との繰り返しでした。
RIZAP型の方式では、絶えずスマホなどで連絡を取り合い、ゼロに戻させない仕組みを取り入れている点が大きな違いです。「教える」塾から「管理する」塾へ発想の転換が行われています。
【ひと言】
日本社会はバブル崩壊以降、急速に国民間の格差が広がった原因の一つに、国が支出する教育費が先進国では最低水準であることが挙げられます。そのため豊かな家庭からばかり優秀な人が生まれ、親が貧しいと子も貧しくなる格差社会が定着しました。この流れを断ち切る学習方法の誕生が、新たなビジネス誕生にもつながるような気がしています。