最近驚いたニュービジネスに「退職仲介サービス」があります。現在勤めている会社を辞めたい時、本人に代わって会社に退職に関する連絡をしてくれるサービス企業が登場しました。
人不足が深刻な現代、会社は辞めようとする社員を引き留めるのに必死です。特に有能で仕事のキーポジションについている人の場合、代わりを見つけるのが大変ですから説得して残ってもらおうとします。
こんな時、頼りになるのが退職仲介サービスです。日経MJによりますと、昨年8月にスタートして半年で約2000人が実際に退職したようです。1月平均で50人程度、今は月に1000人くらいの問い合わせがあるようです。
費用は、正社員の場合は5万円、アルバイトは3万円。現代の人手不足の時代的ニーズや、交渉事が苦手な人の増加に合わせた、なかなかのアイデアビジネスと思われます。
心配なのは、他社が似たようなことを考えたとき、比較的参入が楽なビジネスであること。また、絶えず新しいお客さんを探し続けるのはコストの面からも厳しいです。
辞められる会社経営者としては、とんでもないサービスが生まれたものと腹を立てそうなビジネスです。この種のビジネスは、あまり有名になるとビジネス界の風向きが激しくなりますが、SNSなどでこっそり知れ渡ると意外と長続きするかも。
【ひと言】
起業したビジネスが、何でもかんでも有名になることを喜ぶ人がいます。実際は、長く継続するためにあまり有名にならない方がよいビジネスもあります。また最初の起業が成功したため、その後のビジネス展開を考えずに、尻すぼみで起業が終わるケースもあります。その後にどんな展開が起こるか不安定で複雑な時代ですから、考える力は目いっぱい鍛えておくことです。