わが国で手軽にできるスモールビジネスと言いますと、家事代行やハウスクリーニングと並んで「買い物代行」があります。発送サービスを行っていない有力小売企業に代わり、手数料を取って希望の商品を買って発送するビジネス。
以前は人気の高かったイケアが、自社でオンライン販売を始めたことで、買い物代行ビジネスにとっては痛手になりました。それでも、大手企業の中には通販を行っていない会社もあり起業する余地はありそうでしたが・・
昨年末から、シンガポールに本社を置くベンチャーのオネストビーが、わが国で買い物代行の全国展開に乗り出しています。既に、コストコ、伊勢丹、丸山珈琲などと提携して通販事業の代行を担っています。
「気になる商品があるけれど自分の住んでいる近隣には店舗がない」「知人や親戚に気になる商品を贈りたい」「珍しモノ好きな性格で、周りでは誰も持っていない商品を手に入れたい」
お金はあるけど時間のない共働き世帯や、子育て中の主婦、買い物の不自由な高齢者などからも、代行は熱い支持を受けています。企業の通販部門を代行するビジネスと考えますと企業価値も高まるビジネスです。
日本の起業家にも、このビジネスのニーズの高さに目を付ける人は少なくなかったはず。ただ何となく、他人の軒を借りて勝手にビジネスをしている引け目があったためか事業提携の発想はありませんでした。
そんな間隙を、シンガポールのベンチャー企業に突かれたようです。当初は首都圏のスーパーと提携し、これからは全国の企業を対象に着々と事業規模を拡大しています。
アマゾンが「アマゾンフレッシュ」で生鮮食品の配送サービスを始めたこともあり、この市場は確実に拡大に向かっています。このビジネスは、まだまだこれからも広がりをみせますから起業の余地はあると思います。
【ひと言】
商品を配送するとか、配達するとか、現場が行う作業はほとんど変わらないのに、一方はベンチャービジネスとして大手企業と契約して行い、他方はこっそりと目を盗むようなビジネスで終わる。この差はどこから生まれるのか興味深いものがあります。目標とか、志の違いとかでしょうが、同じビジネスを行うなら息長く人から評価されるビジネスを目指すべき。
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