起業したいと考える人は大勢いますが、起業に向いている人と不向きの人がいることも確かです。これは、経営をよく知っているとか、資金があるとかとは別の切り口の問題です。
それは立ちはだかる課題に対し、深く考えて判断することのできる人と、直感でしか判断できない人との違いです。当然、深く考える熟考で判断できる人は向いていますし、直感の人には不向きです。
行動経済学者でノーベル経済学賞を受賞しているダニエル・カーネマンさんが、モノゴトを判断するときに失敗しやすい例として、「人間の脳は常に楽をしたがって、深く考えることを嫌がる」
そのため、自分の過去の経験則や好き嫌い、ひいき目でモノゴトを判断しがちになります。事業やビジネスで失敗する人の場合、この感覚ばかりに頼って判断することが大きな原因です。
もしこの仮説を疑るならば、あなたの周りで長年会社経営をし、そこそこ順調に事業を伸ばしている人を思い出してください。いかにスピード経営の時代とはいえ、直観だけに頼った判断をする人はいないはず。
どちらかというと、少し鈍いのではと思うほど、判断するのに時間を使う人が圧倒的に多いはずです。口の軽い人、直ぐ答えのでる切れるタイプ、自分の勘ばかり頼るタイプも少ないはず。
これから起業して事業を起こしたい人、今不振の会社経営を立て直したい人なら、熟考人間に頭を切り替えることです。経営者に向くタイプに自分を変えないことには、持続性のある息の長い事業経営は難しいです。
【ひと言】
以前はわたしも、直感で考えるとか熟考タイプとか、思考方法に関しプロセスまで考えたことはありませんでした。スピード経営の時代ですから、いかに早く判断すべきかばかり考えていました。今は、人の身になって考えれることは貴重な能力です。特に、スマホばかりに頼って判断する人の多い時代、少しでもデータを揃えて考える習慣を身に付けた人は、人よりも高いレベルのビジネスをすることができます。
