日本での起業と、経済先進国の起業とを比較したとき、圧倒的な違いは日本が一人で起業するのが中心なのに対し、他国では複数の人間による起業が主流になっていることです。
数人で起業する理由は、複数の場合失敗する確率が低くなることと、成功した時に事業規模が大きく膨らんでいるからです。こじんまりした起業で成功するよりは、大きなビジネスを展開する方が喜びも大きくなります。
先月、二人が組んで始めた障がい者向け事業を閉じました.忘れられないのは、二人が起業前に勧めた契約書作成を断ったことです。「二人は一心同体ですから」が断る理由でした。
日本人は、ビジネス上の付き合い方が下手かも知れません。最終的意思決定は誰がするのか、会社の代表者は誰がなるのか、事前に決めておくべきことをいつまでもはっきりさせません。
これは、夫婦で起業する場合、兄弟姉妹で立ち上げる場合においても同じです。一番たちが悪いと思うのは、起業前に勤めていた会社で上司と部下だった人たちが、その地位のままもたれ合った状態で起業するようなケースです。
複数の人間が起業する長所がまったく生かされず、上司一人の判断で全てを決めて失敗した人たちを何人も見てきました。その上司が蒸発してしまったなんて最悪のケースも聞いています。
せめて起業する前に、ビジョンやミッションはしっかり決めてからスタートさせるべきです。また、過度に仲の良い人たちが起業するのもマイナス要因になりま
す。
起業はあくまでもビジネスの世界の話。プライベートな付き合いとは切り離して、ビジネスに徹した付き合いによって成功することを目指すべきです。
【ひと言】
起業でもビジネスでも、失敗しないために必要なのは素人の感覚で発想すること。事業に詳しい人ほど、専門家の発想で事業を立ち上げようとしますが、ここには落とし穴があります。商品やサービスを購入してくれる人は多くが素人ですから、手間がかかっても素人にニーズを聞くしかないことを忘れない方がよいです。
人気ブログランキング