わたしがアドバイザーで開業した同時期に、同じ街でスナックを開業した68歳の男性がこのほど店を閉じました。同じサラリーマンから転身して起業した人だけに残念です。
昨年から会社や店舗を畳む人が数人続いていて、何となく時代の変化と不安とを感じています。弁当店から高級弁当に顧客ターゲットを変換した人も、結局お客さんの減少が続いて廃業しました。
デイサービス、学習塾、喫茶店、居酒屋、自動車部品販売、システム開発など、わたしの地域では比較的古くからの事業で廃業する人がほとんど。新しい業種で開業する人はスマホ販売店くらいです。
ここでわたしが気になっているのは、事業を止めた経営者の多くは60代の人で、そこからまだまだ人生は続くことです。事業を止めてほっとした人がほとんどですが、同時に次の展開を考える必要があります。
上手く事業資金が残っていて、次の事業を探せる余裕があるとよいのですが、多くの人は生活資金を貯めるのは精一杯で事業資金までには手が回らないのが現実です。
起業を目指す人は開業するまでをゴールと考え、その後のことまではあまり考えてはいません。実際に上手く開業することができたとしても、その先の目標を的確に設定できる人も少ないです。
多くの起業家はそこで満足してしまって、このままで息の長いビジネスを続けることばかりを考えがち。実はここに落とし穴があって、洋服や料理の流行と同様、ビジネスの陳腐化も確実にしかも早く進んできます。
【ひと言】
時間の進みの遅い時代でしたら、次の展開をゆっくり考えてもよいのでしょうが、今は流行りの展開がとても速いです。そのため下手に流行に乗ってしまうと、一時的にはメディアやSNSで取り上げられ大騒ぎしますが、その波が終わるとそれこそ人がほとんど寄り付かない状態になります。それからの復元力があるかないか、波に乗るのも難しいですが、その後の展開も考えておく必要があります。

