わが国は。新元号に令和が決まり国を挙げておめでたい空気に包まれています。これまでの経験で、このような空気の時には将来の不幸の種が忍びよっていることが往々にしてあるものです。
ほとんど話題になっていませんが、トルコでは先月末から通貨リラが急落しています。また国勢の最も安定していると思われる北欧では、デンマーク・ダンスケ銀行やスウェーデン・スウェードバンクが資金洗浄の疑いがあります。
世界的に関心が集まっているのはドイツ銀行の経営不振。過っては、米国の大銀行を凌ぐ業績を誇っていましたが、リーマン以降低金利で体力を落とし、今は事業規模3分の1で同じドイツのコメルツ銀行に救いを求めるほど。
08年にリーマンショックが起きた時も、前年にフランス・BNPパリバ銀行の傘下ファンドで取り付け騒ぎが起き、その火種がリーマンブラザース証券の倒産につながり世界的な大不況になっています。
日本の場合、その財政状態はいつ信用不安が発生してもおかしくない状態です。18年末の時点で日銀の国債発行残高は1111兆円にまで膨らみ、国債を減らすよりも増やし続けています。
何でこの危機的状況がいつまでも続くのか。一つ目は、国民が国の借金問題よりもその資金で好景気の方を選んでいること。二つ目は、日本のマスコミが追及しないため、海外であまり話題にならないことがあります。
もう完全に麻痺している状態に入っていて、今の政府は何事も補助金をばら撒くことで問題解決しようとしています。現状のままで大丈夫と考える人ならそれはそれで問題ありません。
いつまでもこの国の借金まみれの状態は続かないと考える人は、自分なりに対策を考えておくべきです。もし何かの拍子で不況に陥ったとき、今の日本政府には不況対策に打つ手はなくなっていますから。
【ひと言】
多分個人でも、浮かれ気分の時に事故や大失敗を犯した経験があると思います。日本の歴史では、不況が続くなか1933年から日本国中で「東京音頭」が大流行。軍隊は中国への攻撃を開始し、その後の太平洋戦争へと流れ込んでいきます。不況でふさぎ込んでいるとき、浮かれ気分になりたい心理が人間にはあるようですが、こんな時ほど冷静な立ち回りをするべきです。
