令和の新しい時代が始まり、日本は祝賀ムードがいっぱいです。平成は経済的に「失われた20年」など言われただけに、令和になって気分一新したい気持ちはよく分かります。
わたしのように長く生きた人間は、昭和から平成へと移り変わった時代の変化を思い出さずにはいられません。当時、新天皇が即位したのは1989年1月7日でした。バブル経済の真っ只中です。
日本経済は米国を追い抜いて、世界の頂点に立つのではと密かに思う人が多かった時代です。実際の株価は、この年12月29日の大納会に付けた38915円がピークでその後は下がり続けました。(現在は22258円)
株価のピークが89年なら、地価のピークは90年と言われています。株価や地価が下がるに連れて、金融市場には不良債権が雪だるま式に積み上がり、この処理のために10年以上の歳月を費やしています。
たった4年強の狂乱経済のために、長期間の不況を強いられているのに、再度バブルを引き起こそうと考える政治家はいます。そのため、不良債権に代わる大量の赤字国債が発行され、今度は世界最大の借金大国です。
平成から令和へと年号は代わりましたが、再び似たような罠が日本経済に起こる気配があります。日本のマスコミはまったく報道しませんが、欧米で言われている「日本化」問題です。
日銀による悪しき政策決定の結果、景気が悪化する局面で景気刺激のための金利引き下げができない現象です。あまりに長期間金融緩和を続けたため、大不況が起こった時に日銀には政策手段がほとんどなくなっています。
日本人は、今後の不況到来のときに公的支援が受けられない環境にいることを、今から真剣に考えておく必要があります。日本の場合、銀行を通して資金供給をしてきましたが、ここのパイプが機能しない可能性です。
起業するしないに関係なく、不況がきた場合倒産する会社はこれまでになく増えそうです。銀行からの緊急融資が期待できないからです。また日本経済は他国よりも不況の影響が大きく、景気の立ち直りには時間が掛かりそう。
不況が来てから慌てるよりも、今から不況の対応策は各自が考えた方がよいです。収入源を少しでも増やすとか、ムダな出費を無くし会社経営を身軽にしておくことも大事な対策です。
【ひと言】
その昔、「英国病」という言葉は世界に知れ渡っていました。一昔の最先端経済の大国が、その仕組みゆえに身動きが取れなくなって一国経済がどんどん縮小する様です。「日本化」も同じように、いつまでも大国気分で経済運営をしていると、身動きがとれなくなる状態を指しています。国は何ともなりませんが、自分の会社や個人のビジネスでは日本化は避けられます。
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