「終身雇用の維持は難しい」トヨタ自動車 豊田章男社長の発言が会社勤めの人たちに大きな衝撃を与えています。同様の発言は、経団連 中西会長の口からも出ています。
大手企業の場合、既に自社で働く従業員の3割とか半数以上も非正規従業員に任せているのに、追い打ちをかけるように正社員減らしを示唆する発言ですから、サラリーマンの誰もが不安になります。
自動車産業の場合、日本経済全体の1割弱にも影響を及ぼす巨大産業です。単に自動車業界だけに限らない日本の産業全体に及ぶ話です。豊田社長の発言には、2つの面から意味を感じ取りました。
1つは、現在のエンジン自動車製造の業態は早晩、電気自動車や自動運転車に切り替わる意味です。また、カーシェアやネット接続が進むことで、現従業員の業務内容の中に生き残る可能性が少なくなることです。
2つ目は、会社の雇用年齢が60歳から65歳、70歳と引き上げられるに従い、会社が従業員の賃金面、健康面など全ての面倒をみることが難しい。本音は、若くて能力の優れた時期だけ雇用したいところでしょう。
企業経営者は、常に最大利益を株主から求められていますから、従業員には警告の意味もあって発言したと思います。そう考えますと、会社に勤めている時期は、次の自分が進むべき道を考える時期でもあります。
今後、日本人の健康寿命がますます延びてきますと、自分で50代、60代以降の仕事探しをする必要性が厭でも生まれてきます。金銭的な必要性がありますが、同時に自分の生き方の問題としてです。
自分は何のために生まれてきたのか、自分の人生を考える上ではよい機会です。昔から好きだった仕事に就く。自分の出身地に帰って地元のために尽くす。
地域で自分の技能を使って人の役に立つことを考える人もいます。時間的に準備期間が取れるならば、退職後の新たな挑戦も決して難しい課題ではありません。
【ひと言】
企業は、一方では人材不足が深刻で日本人ばかりでなく外国人や、中途採用に力を入れています。他方、従業員が40代を超えるころからは早く辞めてもらう算段ばかりが目につきます。結局は、文句も言わずに安月給で働く人材が欲しいのであって、決して自分の能力が必要ではないと、気づくことが従業員には必要な気がします。自分を守るのは自分だけですから、早く次の人生設計を考えることも大事です。
これからの準備を考えるなら